『バーバパパのなつやすみ』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、やましたはるおさんが翻訳を担当しています。原作のタイトルは『Les vacances de Barbapapa』です。物語は、バーバパパ一家が南の島で夏休みを過ごす様子を描いています。彼らは海で泳いだり、美味しいフルーツを楽しんだり、星空を眺めたりと、楽しい時間を過ごします。しかし、些細なことで子どもたちの間に喧嘩が起こり、それぞれが自分専用のバンガローを作り始めます。最終的には皆が仲直りし、一緒に過ごす喜びを再確認します。
略歴
アネット・チゾン
アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。
タラス・テイラー
タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。
やましたはるお(訳)
山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。物語の内容やイラストの表現が幼児にも理解しやすく、共感を呼ぶものとなっています。また、家族や友達との関係性、協力の大切さなど、幼児期に学んでほしいテーマが含まれており、読み聞かせにも適しています。
レビュー
本作は、バーバパパ一家の多彩な変身や、南の島での冒険が鮮やかに描かれており、子どもたちの想像力を刺激します。また、些細なことで喧嘩をしてしまう子どもたちの姿は、幼児にも共感しやすく、最後に仲直りする場面は心温まるものです。家族や友人との絆の大切さを伝えるとともに、異なる個性を持つ者同士が協力し合うことの重要性を教えてくれます。色彩豊かなイラストとシンプルなストーリー展開で、小さな子どもでも楽しめる作品となっています。