
『バーバパパのプレゼント』は、アネット・チゾンとタラス・テイラーによる絵本で、山下明生さんが翻訳を担当しています。原作のタイトルは『L’hiver de Barbapapa』で、1982年にフランスで発行されました。日本語版も同年発行です。物語は、バーバパパ一家がクリスマスに南の国の鳥をプレゼントとして受け取るところから始まります。寒さが苦手な鳥のために、家族は家を暖める工夫をしますが、やがて地球温暖化の問題に気づき、自然環境との共生を考えるようになります。この作品は、環境問題やエネルギーについて子どもたちに考えさせる内容となっています。
略歴
アネット・チゾン
アネット・チゾン(Annette Tison)は1942年フランスのオスソール生まれ。彼女は建築家としての訓練を受け、1965年にエコール・スペシャル・デ・アーキテクチュールを卒業しました。その後、彼女は建築設計事務所で働きながら、1970年代にアメリカ人の夫タラス・テイラーと共に「バーバパパ」シリーズを生み出しました。バーバパパのユニークなキャラクターとその周囲の世界は彼女の子供時代の思い出や、彼女が子供たちと共に過ごした時間からインスピレーションを得ています。アネットは「バーバパパ」シリーズの成功により、世界中で愛されるキャラクターを作り上げました。
タラス・テイラー
タラス・テイラー(Talus Taylor)はアメリカ出身の作家で1942年生まれ。彼はアネット・チゾンと共に「バーバパパ」シリーズを共同制作し、このシリーズの成功に大きく貢献しました。タラスは子供向けの絵本やアニメーションを作成することに情熱を持ち、彼の創造力とクリエイティブな才能は「バーバパパ」シリーズの魅力を一層引き立てました。彼はまた、アネットと共に多くの著作を発表し、世界中の子供たちに喜びと楽しさを提供しました。
やましたはるお(訳)
山下明生(やました はるお)氏は、1937年、東京に生まれ瀬戸内海の広島県能美島で育ちました。広島県立大柿高等学校を経て、京都大学文学部仏文学科を卒業後、上京してあかね書房に入社し、児童書の編集に携わりました。その後、同人誌「こだま」に参加したことを機に創作活動に専念します。1973年に『うみのしろうま』で野間児童文芸推奨作品賞、1975年に『はんぶんちょうだい』で小学館文学賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。また、「バーバパパ」シリーズの翻訳者としても知られています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳以上とされています。カラフルなイラストや親しみやすいキャラクターが、小さな子どもたちにも楽しめる内容となっています。
レビュー
『バーバパパのプレゼント』は、環境問題をテーマにしながらも、子どもたちに分かりやすく伝える工夫がされています。バーバパパ一家の温かい家族愛や、自然との共生を描いたストーリーは、親子で一緒に読むのに適しています。また、カラフルで魅力的なイラストは、子どもたちの興味を引きつけ、読後に環境について話し合うきっかけを提供してくれます。この絵本を通じて、子どもたちに地球環境の大切さや、他者への思いやりの心を育むことができるでしょう。