たまごがいっぱい/寺村 輝夫

『たまごがいっぱい』は、寺村輝夫さん作、和歌山静子さん絵による絵本で、2013年に理論社から単行本として発行されました。本書は、わがままで好奇心旺盛な王さまが、国中の人々に「今日からたまごを食べてはいかんぞ!」と言い出し、にわとりも人間も困るというユーモラスな物語です。​王さまの愉快な冒険が描かれており、子どもたちに笑いと教訓を提供します。

略歴

寺村 輝夫

寺村 輝夫(てらむら てるお,1928年 – 2006年)さんは、東京都出身の児童文学作家です。​戦後、早稲田大学に入学し、在学中に「早大童話会」に所属して創作童話を志しました。​1956年に「ぞうのたまごのたまごやき」を発表し、以降、「ぼくは王さま」シリーズをライフワークとして執筆しました。​1961年には『ぼくは王さま』で毎日出版文化賞を受賞し、1980年には『あいうえおうさま』で絵本にっぽん賞を受賞しました。​1984年には「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により巌谷小波文芸賞を受賞しました。​「ぼくは王さま」シリーズ以外にも、「寺村輝夫のとんちばなし・むかしばなし」「おはなしりょうりきょうしつ」「わかったさんのおかし」「かいぞくポケット」など、子どもに人気のシリーズを多く手がけました。

和歌山 静子

和歌山静子(わかやま しずこ,1940年 – 2024年)さんは、京都府京都市生まれの挿絵画家・絵本作家です。​幼少期を函館市で過ごし、武蔵野美術短期大学デザイン美術科を卒業後、フリーのデザイナーやイラストレーターとして活動を開始。​1966年、児童文学者の寺村輝夫に見出され、『こびとのピコ』の挿絵を担当したことを機に、寺村作品の多くを手掛けるようになりました。​代表作には『王さまシリーズ』や『おおきなちいさいぞう』などがあり、1980年に『あいうえおうさま』で絵本にっぽん賞、1982年に講談社出版文化賞を受賞しています。

おすすめ対象年齢

本書は、幼児から楽しめる内容となっておりますが、文字数が多いので小学校低学年の子どもたちに適しています。​読みやすい文章と親しみやすい内容が特徴で、子どもたちの読書習慣の入り口として最適です。

レビュー

『たまごがいっぱい』は、王さまの好奇心とわがままが引き起こす騒動をコミカルに描いており、読者に笑いと教訓を提供します。​和歌山静子さんの温かみのある挿絵が物語を引き立て、読者の想像力を刺激します。​また、王さまシリーズ全体に共通するユーモラスな語り口とテンポの良い展開が、本作でも存分に発揮されています。​子どもたちだけでなく、大人も楽しめる作品です。

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