おもいで星がかがやくとき/刀根 里衣

刀根 里衣さん作の絵本『おもいで星がかがやくとき』は、2017年にNHK出版から刊行されました。​物語は、ねずみのピナが大切な人を失い、その人が「お星さまになった」と聞いて会いに行く旅を描いています。​ピナは思い出の場所を巡りながら、その人の不在を受け入れていきます。​この絵本は、喪失と向き合う子どもの心情を優しく描き、読者に深い感動を与えます。

略歴

刀根 里衣

刀根里衣(とね さとえ)さんは、1984年に福井県敦賀市で生まれた絵本作家です。京都精華大学デザイン学部ビジュアルコミュニケーション学科を卒業。​その後、イギリスへ語学留学中に「ボローニャ児童書ブックフェア」を訪れたことがきっかけで絵本作家を志し、2011年にイタリアの出版社から『なんにもできなかったとり』でデビューしました。​翌年にはミラノに拠点を移し、2012年と2013年にボローニャ国際絵本原画展に連続入選、2013年には国際イラストレーション賞を受賞しています。​受賞作を絵本化した『ぴっぽのたび』は12か国で出版され、高い評価を受けています。​現在もミラノを拠点に創作活動を続けています。

おすすめ対象年齢

絵本『おもいで星がかがやくとき』の対象年齢は、一般的に3歳から5歳以上とされています。​ただし、内容が大切な人の喪失をテーマにしているため、子どもの理解度や感受性によっては、もう少し上の年齢の方が適している場合もあります。​​お子様の成長や経験に合わせて、最適なタイミングで読んであげることが大切です。

レビュー

『おもいで星がかがやくとき』は、読むたびに胸が温かくなる絵本です。大切な人との別れを経験したピナの旅は、子どもにも大人にも共感を呼びます。やさしく繊細な絵が物語と寄り添い、悲しみを包み込むような静かな力を感じました。喪失をテーマにしながらも、思い出とともに生きる力をそっと教えてくれる本で、特に大人にとっては深い癒しと気づきを与えてくれる一冊だと思います。静かに心に寄り添う名作です。

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