わすれんぼうのねこ モグ/ジュディス・カー

ジュディス・カー作の『わすれんぼうのねこ モグ』(原題:Mog the Forgetful Cat)は、1970年に初版が発行されたイギリスのクラシックな絵本です。主人公のねこ「モグ」は、ちょっと抜けていておっちょこちょいな性格が愛らしく、多くの子どもたちに親しまれてきました。モグの忘れっぽさから引き起こされるユーモラスな日常と、家族との温かい絆を描いており、心温まるストーリーが特徴です。ジュディス・カーのやわらかく温もりあるイラストが、モグの魅力を引き立てています。このシリーズは全17作品が出版され、親子で楽しめる内容として世代を超えて愛されています。

ジュディス・カーの略歴

ジュディス・カー(Judith Kerr, 1923年 – 2019年)は、ドイツ生まれでイギリスに移住した絵本作家であり、作家、イラストレーターです。彼女はドイツ・ベルリンでユダヤ人の家庭に生まれましたが、ナチス政権が台頭した1933年に家族とともにドイツを離れ、スイス、フランスを経てイギリスに亡命しました。彼女の父親は著名な劇作家であり、政治的な立場から迫害を避けるために家族で移住を余儀なくされたのです。

イギリスに移住後、ジュディスは美術を学び、後にイラストレーターや脚本家として働き始めました。
1968年に発表した絵本『おちゃのじかんにきたとら』(The Tiger Who Came to Tea) は、彼女の代表作となり、世代を超えて多くの子どもたちに愛されています。この本の成功をきっかけに、ジュディス・カーは他にも数多くの子ども向け絵本を手がけ、その中でも猫の「モグ」シリーズ (Mog the Forgetful Cat) は人気が高く、シリーズ化されるほどの成功を収めました。

彼女の作品は、温かみとユーモア、そして優しさがあふれており、日常の中の小さな出来事やファンタジー要素を通して子どもたちに生きる喜びや驚きを伝えています。そして現在でも多くの世界中のファンに愛されています。

おすすめ対象年齢

『わすれんぼうのねこモグ』の対象年齢は、3歳から8歳程度の子どもにおすすめです。シンプルでわかりやすい文章と、ユーモアあふれるストーリーは、小さなお子さんでも楽しめます。また、家族やペットとの関係を描いた温かい内容は、小学校低学年の子どもたちにも親しみやすいです。読み聞かせにも適しており、親子で一緒に楽しめる絵本として、幅広い年齢層に愛されています。

レビュー

ジュディス・カー作の『わすれんぼうのねこ モグ』は、愛らしいキャラクターと温かみのあるストーリーが魅力的な絵本です。忘れんぼうで少しドジなモグが巻き起こす日常の出来事は、クスッと笑えるユーモアと親しみやすさに満ちています。特に、家族がモグを大切に思い、最後にはその存在が家族にとってどれほど大きなものかが描かれる場面には心が温まります。ジュディス・カーのイラストは、やわらかく優しいタッチでモグの表情や動きがとても生き生きとしており、読み手を物語の世界に引き込んでくれます。この絵本は、単なる子ども向けの物語を超えて、家族の絆や日常の幸せを再確認させてくれる作品だと思います。大人も子どもも楽しめる素晴らしい一冊です。

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