さるかにがっせん/いもとようこ

いもとようこさんの絵本『さるかにがっせん』は、2008年に金の星社から出版されました。この作品は、日本の昔話「さるかに合戦」を基に、かにが猿に騙されておにぎりと柿の種を交換し、成長した柿の実を巡って悲劇が起こる物語です。かにの子どもたちが仲間と協力して猿を懲らしめる姿が描かれています。いもとさんの温かみのあるイラストとリズミカルな文章が特徴で、子どもたちにも親しみやすい内容となっています。

略歴

いもとようこ

いもとようこさん(本名:井本蓉子)は、1944年兵庫県生まれの絵本作家・挿絵画家です。金沢美術工芸大学油絵科を卒業後、小学校教員を経て絵本の世界に入りました。独自の貼り絵技法で温かみのある作品を多数手がけ、出版された絵本は400冊以上にのぼります。主な受賞歴として、1985年度『ねこの絵本』、1986年度『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞しています。ちぎった和紙の貼り絵に着色する独自の技法で、柔らかく温かな表情の人物や動物を描き、創作童話や日本の昔話、世界の名作など多くの絵本を手がけ国際的にも高く評価されています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、幼児からとされています。特に3歳から5歳の子どもに適しており、文字数がやや多めですが物語の展開も理解しやすい内容となっています。また、リズミカルな文章や繰り返しのフレーズが含まれているため、読み聞かせにも最適です。

レビュー

本作は、いもとようこさんの優しい絵とリズミカルな文章が魅力で、子どもたちにとって親しみやすい作品です。物語の中で、かにが猿に騙される場面や、仲間と協力して猿を懲らしめる場面が描かれており、正直さや協力の大切さを学ぶことができます。また、リズミカルなフレーズが繰り返されることで、子どもたちの興味を引きつけ、読み聞かせの際にも楽しめる内容となっています。親子で一緒に読むことで、昔話の持つ教訓を共有し、深いコミュニケーションを図ることができるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました