五味太郎さんの絵本『さる・るるる』は、1979年に絵本館から発行されたロングセラー作品です。この絵本は、「さる・くる」「さる・みる」「さる・とる」など、すべて「る」で終わる動詞を用いて展開されるユーモラスなストーリーが特徴です。愛嬌たっぷりのさるが登場し、リズミカルな言葉遊びとともに、子どもたちに日本語の面白さを伝えます。多くの方に愛され続けており、絵本の魅力を再認識させてくれる一冊です。
略歴
五味 太郎
五味太郎(ごみたろう)さんは、1945年、東京都に生まれた日本を代表する絵本作家であり、グラフィックデザイナーでもあります。東京藝術大学美術学部工芸科を卒業後、広告デザインやグラフィックの仕事に携わり、その後絵本の制作を始めました。1977年に初の絵本『みんなうんち』を発表し、ユニークな視点とシンプルで大胆なデザインが評価され、多くの読者に愛される作家となりました。
代表作には『きんぎょが にげた』『かずのえほん』『たべたの だあれ』などがあり、その多くが世界中で翻訳・出版されています。五味さんの作品は、明確でわかりやすいイラストと、遊び心あふれる構成が特徴で、幼児から大人まで幅広い層に支持されています。また、創作の傍らでエッセイ執筆やワークショップも行い、子どもたちとの対話を通じて創作活動を続けています。彼の絵本は、視覚的な楽しさとともに子どもの創造力を育むことを目的とし、多くの作品が日本国内外でロングセラーとなっています。
おすすめ対象年齢
『さる・るるる』は、2歳頃から楽しめる絵本としておすすめです。「る」で終わる動詞を繰り返すシンプルな構成と、さるの豊かな表情が、言葉を覚え始めた子どもたちの興味を引きます。また、リズミカルな言葉遊びは、読み聞かせにも最適で、親子で一緒に楽しむことができます。言葉のリズムや音の面白さを感じながら、日本語の基礎的な語彙力を育むのに役立つ絵本です。
レビュー
『さる・るるる』は、言葉のリズムとユーモアが絶妙に融合した絵本です。「さる・くる」「さる・みる」など、シンプルな言葉の繰り返しが、子どもたちの言語感覚を刺激します。また、さるの表情や動きがユーモラスで、ページをめくるたびに笑顔がこぼれます。五味太郎さんの独特な発想とセンスが光るこの作品は、親子での読み聞かせにぴったりです。言葉の楽しさや面白さを自然と感じられる一冊であり、何度読んでも新たな発見があります。日本語の魅力を再認識させてくれる、まさに絵本の名作です。