おつきさまはまあるくなくっちゃ!/ふくだ じゅんこ

『おつきさまはまあるくなくっちゃ!』は、ふくだじゅんこさんによる絵本で、2013年に大日本図書から発行されました 。まんまるなお月さまが大好きなおばあさんが、細くなった三日月を見て「お月さまは、まあるくなくっちゃ!」と驚くところから始まります。おばあさんが心を込めて作る手料理を、お月さまが美味しそうに食べる姿が描かれ、二人が囲む温かい食卓に心も満たされる、ほのぼのとした物語です。やさしい色合いのイラストとユーモアあふれる展開が魅力で、読み聞かせにもぴったりの一冊です。

略歴

ふくだじゅんこ

ふくだじゅんこさんは、東京都生まれの絵本作家・イラストレーター。武蔵野美術短期大学デザイン科を卒業後、グラフィックデザイナーとして活動をスタートしました。その後、絵本の世界に魅せられ、本格的に絵本作家の道へ。2000年から2002年には、イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に3年連続で入選し、国際的な注目を集めました。2005年には第5回ピンポイント絵本コンペで最優秀賞を受賞。やさしい色合いと温かみのあるタッチ、そして親しみやすいキャラクターで、赤ちゃんから幼児まで幅広い年齢層の心をつかんでいます。『ぴよぴよ』シリーズや『おおきいの ちいさいの』など、人気作品多数。現在も精力的に創作活動を続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本は2〜4歳くらいの幼児におすすめです。月のかたちが変わることに気づきはじめた子どもにぴったりで、「どうしてお月さまが細いの?」という素朴な疑問に、楽しく優しいストーリーで答えてくれます。読み聞かせにも適しており、親子の会話を自然に引き出すような温かな内容です。

レビュー

細い三日月さまを見て「ちゃんと食べてないのかも」と心配し、ごちそうを作るおばあさんの優しさに胸がほっこりしました。お月さまもそれに応えるように、少しずつ満月になっていく様子が、まるで人と人との心のやりとりのようで温かく感じました。満ちていく月の変化が、物語とともに自然に伝わるのもいいですね。ユーモアもたっぷりで、読み終えるとなんだかやさしい気持ちになります。子どもと一緒に夜空を見上げたくなる、心あたたまる一冊です。

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