『もったいないばあさん』は、真珠まりこさんによる2004年発行のユニークな絵本です。「もったいない」をテーマに、物や食べ物を大切にすることの大切さを教えてくれる物語で、登場する「もったいないばあさん」のキャラクターが印象的です。コミカルで親しみやすいイラストとともに、子どもから大人まで考えさせられる内容が魅力です。環境問題や日々の生活習慣にも通じるテーマを楽しく学べる一冊です。
真珠まりこの略歴
真珠まりこさんは、兵庫県神戸市出身の絵本作家です。 神戸女学院大学を卒業後、大阪総合デザイン専門学校で絵本制作を学び、さらにニューヨークのパーソンズ美術大学でも研鑽を積まれました。
1998年、アメリカで初の絵本『A Pumpkin Story』を出版し、絵本作家としてデビューされました。その後、2004年に発表された『もったいないばあさん』は、キャラクターの人気も相まって、毎日新聞や朝日小学生新聞など多くのメディアで連載され、シリーズ化されました。
2008年からは、「もったいないばあさんのワールドレポート展」を開催し、地球上で起きている問題と、それに巻き込まれる世界の子どもたちの現状を伝える活動を続けておられます。
主な作品には、『おべんとうバス』『おでんのゆ』『ぽんぽん』『おたからパン』などがあり、2024年には新刊『もったいないばあさんのおばあちゃん』と『キノコのしろちゃん』を発表されています。
おすすめ対象年齢
真珠まりこ作の絵本『もったいないばあさん』は、主に 4歳から小学校低学年 の子どもたちを対象にしています。物や食べ物を大切にする「もったいない」の精神を、ユーモラスなキャラクターと親しみやすいストーリーで伝える内容は、幼児にもわかりやすく、小学生にも楽しめる内容となっています。また、大人も共感しやすいテーマなので、親子で一緒に読みながら環境や生活習慣について話し合うきっかけにもなる一冊です。
レビュー
『もったいないばあさん』は、シンプルながら深いメッセージをユーモアたっぷりに伝える素晴らしい絵本だと感じました。「もったいない」という言葉は日本文化の象徴的な概念ですが、この絵本ではその精神を子どもにもわかりやすく、楽しい形で教えてくれます。特に「もったいないばあさん」の個性的なキャラクターが絶妙で、子どもたちの興味を引きつけると同時に、大人にとってもどこか懐かしさを感じさせます。また、物や自然への感謝の気持ちを見直すきっかけになる点も魅力的です。環境問題が注目される今の時代にもぴったりの内容で、親子で読みながら会話を深められる一冊だと思います。温かみのあるイラストとわかりやすい文章が、世代を問わず楽しめる作品として心に残ります。