バルボンさんのおでかけ/とよた かずひこ

『バルボンさんのおでかけ』(作・絵:とよたかずひこ、1998年 アリス館)は、ユーモラスなワニのバルボンさんが主人公の楽しいお話です。バルボンさんは、のんびりバスに乗ってお仕事に出かけます。ページをめくるたびに、彼のゆったりした日常が描かれ、読む人の気持ちもほっこりと和みます。どんなお仕事をしているのか、子どもたちはワクワクしながら読み進められる構成になっています。とよたかずひこさんらしい、やさしいタッチのイラストと温かみある展開が魅力で、読み聞かせにもぴったりな一冊です。

略歴

とよた かずひこ

とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。

おすすめ対象年齢

『バルボンさんのおでかけ』は、3歳ごろから楽しめる絵本です。文章は短くリズミカルで、小さなお子さんでも理解しやすい内容になっています。バルボンさんのユーモラスな姿や、バスでのおでかけの様子に親しみを持ちやすく、読み聞かせにも最適です。小学校低学年まで幅広く楽しめる一冊です。

レビュー

初めて読んだとき、バルボンさんののんびりした雰囲気に思わず笑顔になりました。ワニと聞くとちょっと怖いイメージがありますが、とよたかずひこさんが描くバルボンさんはとても愛らしく、むしろ親近感を抱かせてくれます。お仕事に向かうシーンも、ユーモアたっぷりで大人も子どもも楽しめる展開でした。日常を描いているのに、読み終えると心がじんわり温かくなるのが魅力です。読み聞かせの時間が楽しくなること間違いなしの一冊だと思いました。