ぼくのしょうぼうしゃ/竹下 文子

『ぼくのしょうぼうしゃ』は、竹下文子さん作・鈴木まもるさん絵による絵本で、1993年に偕成社から刊行されました。主人公の“ぼく”が欲しいのは、小さくて赤い消防車。火を消すだけじゃなくて、どろんこの象を洗ったり、お花畑に水をやったり。さらには、はしごを伸ばせば高いキリンともお話できちゃう想像力あふれる展開が楽しい一冊です。ページごとに色彩が変わり、見た目にも飽きません。読んでいると、ちょっとへんてこで、でもなんでもできちゃいそうな、そんな夢をくれる絵本です。

略歴

竹下 文子

竹下文子(たけしたふみこ)さんは1957年福岡県生まれ、東京学芸大学卒業。大学在学中から童話の執筆を始め、1978年に「月売りの話」で日本童話会賞を受賞。以降、『星とトランペット』『黒ねこサンゴロウ』シリーズなどで路傍の石幼少年文学賞を受賞し、長年にわたって児童文学・絵本の世界で活躍されています。代表作には『せんろはつづく』『ひらけ!なんきんまめ』『なまえのないねこ』など、受賞歴も多数(絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞、講談社絵本賞など)。静岡県在住で、多くの子どもたちに親しまれている作家です。

鈴木 まもる(絵)

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は2歳〜が目安です。シンプルでリズミカルな文章と、鮮やかな色づかいのイラストがマッチし、小さな子どもでも飽きずに楽しめます。消防車やのりものが好きなお子さんなら、読むたびに「ぼくも欲しい!」と思うワクワク感が味わえるはず。読み聞かせにもピッタリな一冊です。

レビュー

この絵本、読むたびに童心をくすぐられる感じが最高です。「ぼくのしょうぼうしゃは火を消すだけじゃないんだよ」ってセリフのユーモアもツボ。象を洗うとか、キリンと話すとか、どこまで広がるんだろう…!ってワクワクします。鈴木まもるさんの描く色彩はページごとに表情が変わるので、そのたび「わぁ、きれい!」って見ちゃいますよね。子どもも大人も絵本の中の世界にワープしたような、ドキドキと癒しが一緒に味わえる一冊だと思います。