中川ひろたかさん・作、田中六大さん・絵の『おとのさま、ゆうえんちにいく』(2015年、佼成出版社)は、ユーモアたっぷりの時代×現代ミックス絵本。お城の近くにできた遊園地に、遊び好きなおとのさまと家来のさんだゆうがワクワクしながら出かけていきます。観覧車やジェットコースターに乗って大はしゃぎ、最後はちょっとドキドキのおばけ屋敷へ…!時代劇風の言葉づかいと、現代の遊園地が絶妙にマッチした、笑い満載のストーリー。読めば大人も思わずニヤリとしてしまう楽しい一冊です。
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
田中 六大(絵)
田中六大(たなかろくだい)さんは1980年東京都生まれ。多摩美術大学大学院を修了後、漫画家・イラストレーターとして活動を開始しました。絵本作家としては、内田麟太郎さん作の『だいくのたこ8さん』(くもん出版)でデビュー。その後、『ねこやのみいちゃん』『へいきへいきのへのかっぱ!』『しょうがっこうへいこう』『おすしですし!』など、多数の絵本で親しまれています。親しみやすいユーモラスな絵柄と、色彩豊かなイラストで幅広い世代に人気。児童書の挿絵や「日曜日シリーズ」などでも活躍しています。
おすすめ対象年齢
対象は5歳ごろから。遊園地の楽しさやドキドキがストレートに伝わる内容で、小さなお子さんにもぴったり。古風な言い回しや言葉遊びも含まれていて、小学生以上ならより深く笑える要素もあり、親子一緒に楽しめる絵本です。読み聞かせにも最適。
レビュー
まさかおとのさまが遊園地に行っちゃうなんて…というユニークな設定が最高でした!江戸時代のような世界観なのに、観覧車やジェットコースターが出てくるギャップが面白くて、子どもと一緒に声を出して笑ってしまいました。おとのさまが純粋に遊びを楽しんでいる姿も微笑ましく、家来のさんだゆうのツッコミにもクスッとさせられます。最後のおばけ屋敷では「まさか!」の展開もあって、オチもバッチリ。ユーモア絵本としても、遊園地体験の予習としてもおすすめの一冊です。