鈴木まもるさん作の『ぼくのたからもの』(2015年 アリス館)は、身近な自然と命のつながりをやさしく描いた絵本です。ある日、ぼくの家にメジロが巣を作ります。そっと見守っていると、母鳥がヒナにごはんをあげる姿や、ヒナたちが飛ぶ練習をする様子が描かれます。その姿はまるで人間のお母さんと子どもの関係のよう。鳥の巣も人のお腹の中も、命を育むあたたかな場所だと伝えてくれる内容です。自然観察と家族の愛情が重なり合い、子どもにも大人にも響く一冊です。
略歴
鈴木 まもる
鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。
おすすめ対象年齢
『ぼくのたからもの』は、幼児から小学校低学年くらいまでを対象におすすめの絵本です。身近な鳥の巣づくりを通して、命の大切さやお母さんの存在を感じられる内容なので、小さなお子さんにもわかりやすく伝わります。また、自然や生き物に興味を持ち始めた子どもたちにとって、観察の楽しさを知るきっかけにもなる作品です。
レビュー
この絵本を読んで、身近な自然の営みがこんなにも人間の暮らしとつながっているのだと感じました。メジロの巣作りや子育ての様子は、小さな「ぼく」の視点を通すことで、とても親近感がわきます。母鳥がごはんをあげる姿に、自分とお母さんの関係を重ねるところがとても素敵で、子どもが「命の大切さ」を自然に学べると思いました。大人が読んでも胸に響く内容で、親子で読めば、いのちの尊さや家族の絆を改めて感じることができる一冊だと思います。


