なんでやねん/中川 ひろたか・鈴木 翼

文:中川ひろたか、原案:鈴木翼、絵:あおきひろえさんによる『なんでやねん』(2013年、世界文化社)は、朝起きたらちょんまげが生えてる!? パジャマの下はふんどし!? …といったナンセンスな展開が次々と繰り出される爆笑絵本。思わずツッコミを入れたくなるテンポのよさと、関西風のかけあいが楽しい一冊です。中川さんならではのユーモアに、あおきさんのほんわかした絵がぴったり。親子で声を出して読みたくなる“笑い”が詰まった作品です。

略歴

中川 ひろたか

中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。

鈴木 翼(原案)

鈴木翼(すずき つばさ)さんは、私立保育園や子育て支援センターで約8年間勤務した後、2009年に「あそび歌作家」として活動を開始しました。保育雑誌への連載や執筆、全国でのファミリーコンサートや保育者向け講習会にも出演。2013年には『なんでやねん』(世界文化社)で絵本作家デビューし、以後多数の絵本を発表。NHKの教育番組や楽曲提供も手がけ、2015年からはフジロック・キッズランドステージにも4年連続出演。2019年には大阪芸術大学短期大学部保育学科の客員教授も務めています。保育者目線の温かい作品づくりが魅力の作家です。

あおき ひろえ(絵)

あおきひろえさんは愛知県生まれ。京都精華大学美術学部デザイン科を1985年に卒業後、大阪のイラストレーター集団・株式会社スプーンに所属、のちにフリーランスとなりました。絵本デビューは『パパとぼく』(絵本館)で、以降『夏平くん』『ぼんちゃんのぼんやすみ』など多数。『ゆうえんちでなんでやねん』も代表作の一つです。

おすすめ対象年齢

この絵本は、3歳ころから小学校低学年くらいのお子さんにぴったりです。ナンセンスな笑いとテンポのよいツッコミの応酬で、読むたびに子どもたちは爆笑まちがいなし。大人が読んでも思わず笑ってしまう内容なので、親子で一緒に楽しめるコミュニケーション絵本としてもおすすめです。

レビュー

『なんでやねん』は、読むと元気が湧いてくる絵本です。理不尽な展開や不条理なボケが次々と出てくるけれど、そこにきちんと「なんでやねん!」と突っ込むことで、読者も参加できるのが楽しい。中川さんの言葉遊びのセンスと、あおきさんのゆるくて親しみやすい絵が絶妙にマッチしていて、何度読んでも飽きません。特に関西弁に馴染みのない地域の子にも、新鮮な笑いを届けてくれる一冊です。