よるとひる/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『よるとひる』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、レナード・ワイスガードが絵を手掛けた絵本です。初版は1940年にアメリカで出版されました。日本語版は星川菜津代さんの翻訳により、2009年に童話館出版から発行されています。この物語は、昼が好きな白いねこと、夜が好きな黒いねこが互いの世界を紹介し合う内容です。白いねこは黒いねこに昼の世界を、黒いねこは白いねこに夜の世界を案内します。お互いの世界を知った2匹は、次第に理解を深めていきます。この絵本は、昼と夜の対比を通じて、多様性や相互理解の大切さを伝える作品です。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

レナード・ワイスガード(絵)

レナード・ワイスガード(Leonard Weisgard、1916年 – 2000年)は、アメリカの絵本作家・イラストレーターです。1947年に『The Little Island』でコールデコット賞を受賞し、その後も多くの作品で高い評価を得ました。彼のイラストは、独特の色彩感覚とデザイン性が特徴で、絵本の世界に新しい風を吹き込みました。マーガレット・ワイズ・ブラウンとのコンビで多くの作品を手がけ、その中でも『たいせつなこと』は代表作の一つとされています。

ほしかわなつよ(訳)

星川菜津代(ほしかわなつよ)さんは、日本の翻訳家で、主に英語圏の児童文学や絵本の翻訳を手掛けています。彼女は、アメリカの作家マーガレット・ワイズ・ブラウンの作品を多く日本に紹介しており、その中には『よるとひる』も含まれます。彼女の翻訳は、原作の魅力を日本の読者に伝えることに貢献しています。

おすすめ対象年齢

『よるとひる』は、3歳から7歳の子どもたちにおすすめの絵本です。音に対する興味や好奇心を育む内容で、読み聞かせにも最適です。

レビュー

『よるとひる』は、昼の世界を愛する白いねこと、夜の世界を好む黒いねこが、お互いの世界を紹介し合う物語です。シンプルなストーリーですが、昼と夜の美しさが鮮やかに描かれ、視覚的にも楽しめます。レナード・ワイスガードのイラストは、昼は明るく鮮やかに、夜は静かで幻想的に表現されており、対比が際立っています。また、異なる価値観を持つ2匹が互いを理解し、受け入れる様子が優しく描かれている点も魅力的です。子どもたちに昼と夜の違いを伝えるだけでなく、多様性や他者理解の大切さも学べる作品です。親子で読むことで、互いの好きな時間帯や景色について語り合うきっかけにもなりそうです。

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