『どうする ジョージ!』は、クリス・ホートン作、木坂涼訳の絵本で、2014年12月にBL出版から刊行されました。初版はイギリスで2012年に発行された原作名 “Oh No, George!” です。物語は、飼い主のハリスから「いいこにしていられるかい?」と尋ねられた犬のジョージが、留守番中にケーキや猫、花壇などの誘惑に直面し、そのたびに「どうする、ジョージ?」と自問する姿を描いています。ジョージの行動と葛藤を通じて、読者はユーモラスな展開を楽しめます。
略歴
クリス・ホートン
クリス・ホートン(Chris Haughton)は、1978年にアイルランドのダブリンで生まれた絵本作家、イラストレーター、デザイナーです。彼は、新聞や雑誌など多岐にわたる媒体でイラストを手掛けており、その独特でカラフルなスタイルが特徴です。2007年には、フェアトレードブランド「ピープルツリー」のために制作した作品が、タイム誌の「デザイン100選(The Style + Design 100)」に選ばれ、国際的な評価を得ました。彼の代表作である『ちょっとだけまいご』や『どうする ジョージ!』、『もしかして…』などの絵本は、シンプルながら深いメッセージ性とユーモアを持ち、世界中の子どもたちや大人たちに親しまれています。また、デザインとフェアトレードを結びつけるソーシャルビジネスサイト「node(madebynode.com)」を立ち上げ、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいます。
木坂 涼(翻訳)
木坂 涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては、ウィリアム・スタイグの『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』やシムズ・タバックの『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、2歳から4歳以上とされています。シンプルなストーリーとカラフルなイラストが小さなお子様にも理解しやすく、楽しめる内容となっています。ジョージのコミカルな行動や鮮やかな色彩は、小さな子どもの興味を引きやすく、親しみやすい雰囲気を作り出しています。また、繰り返しの展開や、問いかけのある構成が子どもの想像力や集中力を育てるのにも役立ちます。
レビュー
『どうする ジョージ!』は、鮮やかな色彩とシンプルなデザインが特徴的で、ジョージの愛らしい表情や行動がユーモアたっぷりに描かれています。物語の繰り返しの構成は、子どもたちに安心感を与えると同時に、次に何が起こるのかという期待感を高めます。ジョージの葛藤や反省の姿は、子どもたち自身の行動を振り返るきっかけにもなり、教育的な要素も含まれています。親子で読み聞かせをすることで、行動や選択について話し合う良い機会を提供してくれる一冊です。