
『いちにちむかしばなし』は、ふくべあきひろ作、かわしまななえ絵による絵本で、2015年にPHP研究所から発行されました。主人公の少年が一日だけ昔話の登場人物になるという設定で、桃太郎や一寸法師などのキャラクターに変身し、昔話の世界を体験します。それぞれの物語にユーモアを加え、現代の子どもたちにも親しみやすい内容となっています。昔話の魅力を再発見できる一冊です。
略歴
ふくべ あきひろ
ふくべ あきひろ(福部 明浩)さんは、1976年兵庫県生まれのコピーライター・絵本作家です。京都大学工学部を卒業後、1998年に博報堂に入社し、コピーライターとして数々の広告賞を受賞しました。2013年に独立し、クリエイティブオフィス「catch」を設立。2009年に絵本『いちにちおもちゃ』で作家デビューし、以降「いちにち」シリーズを中心に、子どもたちの想像力を刺激するユーモアあふれる作品を多数手がけています。彼の作品は、日常の中にあるユニークな視点や発想を通じて、読者に新たな気づきや楽しさを提供しています。
かわしま ななえ(絵)
かわしまななえ(川嶋ななえ)さんは、1983年東京都生まれの絵本作家・アートディレクターです。東京造形大学を卒業後、多摩美術大学大学院を修了し、2008年に広告会社・博報堂に入社。アートディレクターとして活動する傍ら、2009年にふくべあきひろさんとの共作『いちにちおもちゃ』で絵本作家としてデビューしました。以降、「いちにち」シリーズ全作品のイラストを担当し、独特のユーモアと温かみのある作風で多くの読者を魅了しています。歌舞伎をこよなく愛し、キジトラ猫の松と梅を飼うなど、日常の中の豊かな感性が作品に反映されています。
おすすめ対象年齢
『いちにちむかしばなし』は、保育園・幼稚園の未就学児から小学校低学年の子どもたちを対象としています。昔話に親しみを持ち始める年齢の子どもたちに、楽しく昔話の世界を紹介するのに適しています。
レビュー
おなじみの昔話が、こんなにも自由で楽しい世界に変わるなんて驚きでした。桃太郎や一寸法師に「なってみる」という視点で展開される物語は、まさにごっこ遊びの延長線上にあるようで、子どもたちの想像力をくすぐります。昔話の定番に現代的な笑いを混ぜた構成は親しみやすく、改めて昔話の魅力を再発見できます。テンポよく展開するストーリーと、明るく楽しいイラストで、読み聞かせにもぴったりの一冊です。