
ジャック・デュケノワ作・絵、大澤晶さん訳の絵本『おばけ、びょうきになる』。原作のタイトルは『Opération fantôme』で、1998年にフランスで出版されました。 日本語版は翌年に刊行されています。 物語は、おばけのアンリが病気やけがを繰り返し、遠足中に動けなくなってしまうエピソードを描いています。仲間たちがアンリを病院に連れて行くと、手術が必要であることが判明します。手術を経てアンリは回復し、健康の大切さや仲間の支えの重要性が伝わる内容となっています。
略歴
ジャック・デュケノワ
ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)は、1953年にフランスのアミアンで生まれました。美術学校を卒業後、ポスターや新聞の挿絵など多彩な分野で活躍しました。その後、幼稚園の教師を務めながら絵本作家としての活動を開始し、数多くの作品を発表しています。代表作である「なかよしおばけ」シリーズは、世界10か国以上で翻訳され、特に『おばけパーティ』は1995年にフランスのペアレンツ・チョイス賞を受賞しました。
おおさわあきら(訳)
大澤 晶(おおさわ あきら)さんは、京都府生まれの翻訳家です。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)でフランス語を専攻し、卒業後は新聞記者として勤務しました。その後、翻訳家に転身し、主に児童書や絵本の翻訳を手がけています。代表的な訳書として、ジャック・デュケノワ作の「おばけ」シリーズ(ほるぷ出版)などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちに多くの物語を届けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は4歳から5歳以上とされています。 物語の内容やイラストが幼児から小学校低学年の子どもたちに適しており、健康や友情の大切さを理解しやすい形で伝えています。
レビュー
『おばけ、びょうきになる』は、子どもたちに健康管理の重要性や友人との助け合いの大切さを優しく教えてくれる絵本です。おばけのアンリが病気になり、仲間たちと共に困難を乗り越える姿は、幼い読者にとって共感しやすく、心温まるものです。ジャック・デュケノワの柔らかいタッチのイラストは、物語の雰囲気を一層引き立て、子どもたちの興味を引きます。また、病院や手術といったテーマも、怖がらせることなく親しみやすく描かれており、医療に対する不安を和らげる効果も期待できます。