くまのパディントン/マイケル・ボンド

マイケル・ボンド作の絵本『クマのパディントン』は、ペルーからイギリスにやってきたクマのパディントンが、ブラウンさん一家と出会い、ロンドンでの新生活を始める物語です。​パディントンの好物であるマーマレードや、彼のユーモラスで心温まるエピソードが描かれています。​原作『A Bear Called Paddington』は1958年にイギリスで発行され、日本語版は1967年に福音館書店から刊行されました。​その後、R.W.アリーの挿絵による新版が2012年に理論社から出版されています。

略歴

マイケル・ボンド

マイケル・ボンド(Michael Bond、1926年 – 2017年)は、イギリスの著名な児童文学作家であり、世界中で愛される『くまのパディントン』シリーズの生みの親です。イギリス・バークシャー州ニューベリーに生まれたボンドは、幼少期から読書が好きで、物語に親しんで育ちました。第二次世界大戦中はイギリス空軍に勤務し、その後BBCでカメラマンとして働きました。
彼の執筆活動は、1958年に最初のパディントンの本『A Bear Called Paddington』が出版されることで始まりました。このシリーズは、紳士的で心温まるペルー出身のクマ、パディントンの冒険を描いており、子どもから大人まで幅広い読者層に支持されています。ボンドの物語はユーモアと優しさに満ち、友情や思いやりの重要性を伝えています。晩年まで執筆を続けたボンドは、児童文学への多大な貢献が評価され、2015年には大英帝国勲章(OBE)を授与されました。その作品とキャラクターは、今なお世界中で愛され続けています。

R.W.アリー(絵)

R.W.アリー(R.W. Alley)は、アメリカ・ロードアイランド州在住のイラストレーターで、多くの絵本の挿絵を手掛けています。​彼の作品には、クラウディア・ミルズ文、R.W.アリー絵の『わすれんぼライリー、大統領になる!』などがあります。 ​また、マイケル・ボンド作のパディントンシリーズの挿絵も担当しており、その温かみのあるイラストレーションで知られています。

木坂 涼(訳)

木坂涼(きさか りょう)さんは、1958年、埼玉県生まれ。和光大学人文学部芸術学科を卒業後、博報堂に勤務されました。1981年、自費出版の詩集『じかんはじぶんを』で詩人としてデビューし、その独特な作風が注目を集めました。1987年には詩集『ツッツッと』で第5回現代詩花椿賞を受賞し、1997年には『金色の網』で芸術選奨文部大臣新人賞を受賞されています。詩人としての活動に加え、エッセイスト、絵本作家、翻訳家としても幅広く活躍されています。特に、創作絵本や海外の児童文学の翻訳に力を入れており、代表作には『みんなおっぱいのんでたよ』(福音館書店)や『あいうえたいそう』(偕成社)などがあります。また、翻訳作品としては『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』や『ヨセフのだいじなコート』など、多数の絵本を手掛けています。現在も、詩や絵本の創作、翻訳を通じて、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれる作品を提供し続けています。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、3歳頃からとされています。 ​しかし、パディントンの魅力的なキャラクターとユーモラスな物語は、幅広い年齢層の読者に親しまれています。

レビュー

『クマのパディントン』は、異国からやってきたクマが新しい環境で奮闘しながらも、周囲の人々と心を通わせていく様子が描かれており、読者に温かい気持ちを届けてくれます。​パディントンの純真さと好奇心、そして少しドジな一面が、物語にユーモアと親しみやすさを加えています。​R.W.アリーの柔らかいタッチのイラストレーションは、物語の世界観を豊かに表現しており、読者の想像力をかき立てます。​子どもから大人まで楽しめる作品であり、家族での読み聞かせにも最適です。

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