『パオちゃんのかいすいよく』は、なかがわ みちこさんによる人気「パオちゃんシリーズ」の一冊で、1992年にPHP研究所から発行されたロングセラー絵本です。海へ遊びに来たパオちゃんと友だちは、砂を運んでトンネルつきの大きなお城を作ります。完成して大喜びのパオちゃんが飛びはねたことで、お城はくずれてしまいます。みんなで笑いながら遊び続ける中、今度は大きな波がやってきて物語はさらに盛り上がります。夏の海遊びの楽しさと、友だち同士のやり取りがのびのびと描かれた一冊です。
略歴
なかがわ みちこ
なかがわみちこ(仲川 道子)さんは 1948年、東京都生まれ の絵本作家・イラストレーターです。明るく温かい絵柄と、子どもたちの心に寄り添うストーリーで長年親しまれてきました。絵本だけでなく、紙芝居作品も多数手がけ、多くの作品が世代を超えて読み継がれています。代表作には、ぞうのパオちゃんが主人公の「パオちゃん」シリーズ、色とりどりのかえるたちが登場する「10ぴきのかえるシリーズ」、子どもが親しみやすい「かわいいむしのえほん」シリーズなどがあり、どれも幼児~幼児教育現場で人気です。これらの作品はシンプルで楽しい世界観で、親子の読み聞かせにもぴったりです。紙芝居『たんたんとんとん』など、絵本以外でも子ども向け作品に幅広く取り組んでいます。
おすすめ対象年齢
対象年齢は2歳〜5歳くらいが目安です。砂遊びや海水浴など、実体験と結びつけやすい場面が多く、小さな子どもでもイメージしやすい内容です。登場人物の表情も豊かで、読み聞かせでは反応を楽しみながら進められます。夏のおでかけ前後に読む一冊としてもおすすめです。
レビュー
この絵本は、夏の海の開放感がそのまま伝わってくる一冊です。砂のお城を作る場面は協力する楽しさがよく表れていて、完成したときのうれしさも伝わります。お城がくずれてしまう場面も深刻になりすぎず、子どもらしい遊びの延長として描かれているのが印象的ですね。波が来る展開にはワクワク感もあり、最後まで楽しく読めます。読み終えたあとに「海で遊びたいね」と自然に会話が広がる、季節感たっぷりの絵本だと思いました。


