『パオちゃんのみんなではみがき』は、なかがわみちこさん作の人気シリーズの一冊で、1996年にPHP研究所から発行されています。パオちゃんと友だちが公園で出会ったのは、泣いているワニちゃん。みんなでワニちゃんを笑わせようとしますが、実は歯が痛くて泣いていたことがわかります。真っ黒の歯を見て、みんなで歯医者さんへ行くことに。ドキドキしつつも楽しい展開が続きます。歯みがきの大切さを自然に伝えてくれる内容だから、生活習慣の導入にもぴったりな絵本です。
略歴
なかがわ みちこ
なかがわみちこ(仲川 道子)さんは 1948年、東京都生まれ の絵本作家・イラストレーターです。明るく温かい絵柄と、子どもたちの心に寄り添うストーリーで長年親しまれてきました。絵本だけでなく、紙芝居作品も多数手がけ、多くの作品が世代を超えて読み継がれています。代表作には、ぞうのパオちゃんが主人公の「パオちゃん」シリーズ、色とりどりのかえるたちが登場する「10ぴきのかえるシリーズ」、子どもが親しみやすい「かわいいむしのえほん」シリーズなどがあり、どれも幼児~幼児教育現場で人気です。これらの作品はシンプルで楽しい世界観で、親子の読み聞かせにもぴったりです。紙芝居『たんたんとんとん』など、絵本以外でも子ども向け作品に幅広く取り組んでいます。
おすすめ対象年齢
対象年齢は3歳〜6歳くらいが目安です。ストーリーがわかりやすく、友だち同士のやり取りも多いため、幼児でも無理なく楽しめます。歯医者や歯みがきに苦手意識を持ち始める年齢にちょうどよく、読み聞かせを通して「歯を大切にしよう」という気持ちをやさしく育てられます。
レビュー
この絵本は、歯みがきの大切さを説教くさくなく伝えてくれるところがとても良いと感じました。ワニちゃんが泣いている理由を、友だちみんなで考えて行動する姿が微笑ましいです。歯が痛いという現実的な出来事を描いているから、子ども自身も「自分のことかも」と感じやすいと思います。歯医者さんの登場も怖すぎず、安心感のある描写なのが印象的です。だから、歯みがきを嫌がる時期の読み聞かせに使うと、自然と前向きな声かけにつながりそうですね。


