エリック・リトウィンの絵本「ねこのピート だいすきなしろいくつ」(原題:Pete the Cat: I Love My White Shoes)は、カラフルで楽しいリズムが魅力のストーリーです。この本は、青い毛並みの陽気な猫「ピート」が主人公で、彼が新しく手に入れたお気に入りの白い靴を履いて冒険する様子を描いています。
ピートは、いろいろな場所を歩き回るうちに靴の色がどんどん変わってしまいます。たとえば、赤いイチゴの上を歩くと靴が赤くなり、青い水たまりを踏むと青くなるなど、靴の色が次々と変わっていくのです。それでもピートは気にせず、常にポジティブな態度で「気にしない、気にしない」と歌い続けます。このようなピートの姿勢は、困難や予想外の出来事に直面しても前向きに楽しむことの大切さを教えてくれます。
この絵本は、テンポの良い繰り返しのフレーズと音楽的な要素が特徴で、子どもたちにとってもリズムに乗って読みやすい内容になっています。また、色の変化を通じて色彩の学習も楽しめるため、幼児教育の一環としても人気があります。ジェームズ・ディーンのシンプルで大胆なイラストもピートの個性とストーリーの楽しさを引き立て、子どもたちの目を引きつけます。
「ねこのピート だいすきなしろいくつ」は、子どもたちに自己肯定感やポジティブな態度を自然に伝えることができる素敵な絵本です。
略歴
エリック・リトウィン
エリック・リトウィン(Eric Litwin)は、アメリカの児童書作家、ストーリーテラー、ミュージシャンで、特に「Pete the Cat」(日本語訳『ねこのピート』シリーズ)の作者として広く知られています。彼は幼児向けの絵本作家として、リズムや音楽を取り入れた作品を多く手がけ、読むだけでなく「聴く楽しさ」も感じられるストーリーが特徴です。
エリック・リトウィンは幼少期から音楽に親しんでおり、教員やアーティストとしての活動を経て、絵本作家としてのキャリアをスタートしました。教師として教育現場で働いた経験から、子どもたちが読みやすく学びやすい本の制作に情熱を傾けています。彼の作品には、リズムや音楽的な要素がふんだんに取り入れられており、特にリトミックやストーリーテリングを通じた子どもたちの教育に役立つ内容が多いです。
代表作である「Pete the Cat」シリーズは、エリックのユニークな語り口と陽気なメロディが組み合わさり、全米でベストセラーとなりました。このシリーズでは、ジェームズ・ディーン(James Dean)がイラストを担当し、エリックが文章と音楽を手がけています。特に「I Love My White Shoes」(日本語訳『だいすきなしろいくつ』)はシリーズの中でも非常に人気があり、教育関係者や保護者からも高い評価を受けています。
その後もエリックは、音楽と教育を融合させた絵本シリーズを多く発表し続け、現在も子どもたちの読書意欲を育む活動に積極的に取り組んでいます。
おおとも たけし(大友 剛)
大友剛(おおとも たけし)は、日本の翻訳家、ミュージシャン、マジシャンです。マジックや音楽、絵本の楽しさとメッセージを全国の子どもたちに届ける活動を行っています。また、保育者や図書館司書、教育者向けの公演やセミナーも精力的に開催し、国内外で幅広く活躍しています。翻訳作品には『えがないえほん』(早川書房)、『ねこのピート だいすきなしろいくつ』(ひさかたチャイルド)、『カラーモンスター きもちは なにいろ?』(永岡書店)など多数があります。彼の活動は、子どもたちの創造力や表現力を育むことに寄与しています。
おすすめ対象年齢
「ねこのピート だいすきなしろいくつ」のおすすめ対象年齢は、一般的に3歳から6歳の幼児から小学校低学年までとされています。この絵本は、リズミカルで繰り返しの多いフレーズとカラフルなイラストが特徴で、小さな子どもたちにとって理解しやすく、また親しみやすい内容になっています。
また、ストーリーがシンプルでリズム感があり、声に出して読みやすいので、まだ文字が読めない年齢の子どもたちでも楽しめます。音楽やリズムに合わせて読むことで、集中力を高めたり、色の名前やポジティブな態度を学ぶことができるため、教育的にもおすすめの一冊です。
レビュー
「ねこのピート だいすきなしろいくつ」は、シンプルな物語とリズムが魅力的で、まさに「楽しく学べる」絵本だと感じます。この本を通して、ピートが何かトラブルに巻き込まれても「気にしない、気にしない」と前向きに歌い続ける姿が、読む側にも前向きなエネルギーを与えてくれます。
物語のテンポがよく、特に小さい子どもたちは「靴の色がどんどん変わる」ユーモラスな展開にワクワクしながら、次に何が起こるのか期待してページをめくることができます。また、リズミカルな言葉の繰り返しがあるため、声に出して読む楽しさがあり、親子で一緒にリズムに乗りながら楽しめるのも大きな魅力です。
さらに、シンプルながらも重要なメッセージが込められている点も素晴らしいです。失敗や思いがけない出来事があっても、それを受け入れて楽しむ姿勢を自然に学べるこの本は、子どもたちが自己肯定感や楽観的な考え方を育むきっかけになると思います。ジェームズ・ディーンのカラフルなイラストも相まって、楽しい時間を提供してくれる一冊です。