カルロ・コッローディ原作、いもとようこ文・絵の絵本『ピノキオ』は、2016年に日本の金の星社から出版されました。原作は1883年にイタリアで発表された『ピノッキオの冒険(原作名 “Le avventure di Pinocchio”)』で、木製の人形ピノキオが人間になることを夢見て、さまざまな冒険を通じて成長する物語です。いもとようこさんの温かみのあるイラストと優しい文章が、原作の魅力を引き立てています。嘘をつくと鼻が伸びるピノキオの姿を通して、正直さや勇気、優しさの大切さを伝える作品です。
略歴
カルロ・コッローディ
カルロ・コッローディ(Carlo Collodi)は、1826年にイタリアのフィレンツェで生まれました。母の故郷であるコッローディ村の名をペンネームとして使用しています。若い頃から出版社で働き、音楽、演劇、政治、文化批評など多岐にわたる執筆活動を行いました。1848年の第一次独立戦争には義勇兵として参加し、愛国心と共和主義の精神を持っていました。1870年代後半から児童文学に関心を寄せ、1881年に『子ども新聞』で『ピノッキオの冒険』の連載を開始しました。この作品は後に世界的な名作となり、イタリア語の普及にも貢献しました。1890年にフィレンツェで永眠されました。
いもとようこ
いもとようこさん(本名:井本蓉子)は、1944年兵庫県生まれの絵本作家・挿絵画家です。金沢美術工芸大学油絵科を卒業後、小学校教員を経て絵本の世界に入りました。独自の貼り絵技法で温かみのある作品を多数手がけ、出版された絵本は400冊以上にのぼります。主な受賞歴として、1985年度『ねこの絵本』、1986年度『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞しています。ちぎった和紙の貼り絵に着色する独自の技法で、柔らかく温かな表情の人物や動物を描き、創作童話や日本の昔話、世界の名作など多くの絵本を手がけ国際的にも高く評価されています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、保育園・幼稚園の未就学児から小学校低学年までとされています。優しい絵とわかりやすい文章で構成されており、小さな子どもたちにも理解しやすい内容となっています。また、読み聞かせにも適しており、親子で楽しみながら大切な教訓を学ぶことができます。
レビュー
いもとようこさんの『ピノキオ』は、原作の持つ教訓や冒険の楽しさを、彼女独特の温かみのあるイラストと優しい文章で見事に表現しています。ピノキオの成長物語は、子どもたちにとって共感しやすく、自分自身の行動を見つめ直すきっかけを与えてくれます。また、親子で一緒に読むことで、家族の絆を深めることができるでしょう。いもとさんの描くキャラクターたちは愛らしく、ページをめくるたびに新しい発見があります。この絵本は、世代を超えて多くの人々に愛され続ける作品だと感じました。