ジャック・デュケノワ作・絵、おおさわ あきら氏訳の絵本『ペンギン ほっきょくへゆく』は、フランス語版原作『Pôle Nord, pôle Sud』の日本語訳です。物語は、南極に住むペンギンのグングンオヨギくんが、北極の友人アッパレモグリくんを訪ねるために旅に出る冒険を描いています。旅の途中で船のスクリューが止まったり、クジラを助けたり、サメに囲まれたりと、さまざまな出来事が展開されます。
略歴
ジャック・デュケノワ
ジャック・デュケノワ(Jacques Duquennoy)は、1953年にフランスのアミアンで生まれました。美術学校を卒業後、ポスターや新聞の挿絵など多彩な分野で活躍しました。その後、幼稚園の教師を務めながら絵本作家としての活動を開始し、数多くの作品を発表しています。代表作である「なかよしおばけ」シリーズは、世界10か国以上で翻訳され、特に『おばけパーティ』は1995年にフランスのペアレンツ・チョイス賞を受賞しました。
おおさわあきら(訳)
大澤 晶(おおさわ あきら)さんは、京都府生まれの翻訳家です。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)でフランス語を専攻し、卒業後は新聞記者として勤務しました。その後、翻訳家に転身し、主に児童書や絵本の翻訳を手がけています。代表的な訳書として、ジャック・デュケノワ作の「おばけ」シリーズ(ほるぷ出版)などがあります。これらの作品を通じて、子どもたちに多くの物語を届けています。
おすすめ対象年齢
『ペンギン ほっきょくへゆく』は、3歳ごろから小学校低学年(7歳程度)までの子どもにおすすめの絵本です。親しみやすい動物キャラクターとユーモアのある展開、カラフルで可愛らしいイラストが、小さな子どもたちの興味を引きます。物語の構成もわかりやすく、読み聞かせにもぴったり。冒険心や友情といったテーマが込められており、少し大きい子どもにも十分に楽しめる内容です。
レビュー
この絵本は、南極に住むペンギンが北極の友達に会いに行くというシンプルなストーリーながら、ワクワクする冒険が詰まっています。道中でのトラブルや出会いがユーモアたっぷりに描かれており、大人が読んでも思わず微笑んでしまうような場面が多くありました。ジャック・デュケノワの絵は色彩が鮮やかで、キャラクターの表情がとても生き生きとしていて魅力的です。友情や助け合いの大切さが自然に伝わる点も好印象でした。旅に出たくなるような一冊です。