
『おぎょうぎのよいペンギンくん』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが作、H.A.レイが絵を担当し、ふくもとゆみこさんが翻訳を手掛けています。日本語版は2000年に偕成社から出版されました。物語は、南極から来たペンギンくんが良いマナーを学ぶためにアライグマとおでかけする内容で、子どもたちに礼儀や思いやりの大切さを伝えます。H.A.レイの愛らしいイラストと、マーガレット・ワイズ・ブラウンの優しい語り口が魅力的な作品です。
略歴
マーガレット・ワイズ・ブラウン
マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。
H.A.レイ(絵)
H・A・レイ(Hans Augusto Rey、1898年 – 1977年)は、ドイツ・ハンブルクで生まれた絵本作家・イラストレーターです。幼少期から自然や動物への興味を持ち、動物園で過ごすことが多かったと言われています。第一次世界大戦後、ドイツでグラフィックデザインを学び、その後ブラジルに移住。1935年、同じく絵本作家である妻のマーガレット・レイと結婚し、2人で創作活動を開始しました。第二次世界大戦の混乱を避け、フランスからアメリカに渡った際に、最初の『ひとまねこざる』シリーズの原稿を持ち込んだことが出版のきっかけとなります。代表作『ひとまねこざる』は、好奇心旺盛なサル「ジョージ」の冒険を描いたもので、世界的な人気を博しています。晩年はマサチューセッツ州ケンブリッジで過ごし、創作活動を続けました。
福本 友美子(訳)
福本友美子(ふくもとゆみこ、1951年東京都生まれ)さんは、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は5~6歳頃の子供たちからとされています。物語の内容やイラストが幼児から小学校低学年の子どもたちの興味を引き、理解しやすい構成となっています。また、親子での読み聞かせにも最適な作品です。
レビュー
この絵本は、礼儀や思いやりの大切さを優しく伝える物語で、幼児期から小学校低学年の子どもたちにぴったりの内容です。H.A.レイの温かみのあるイラストと、マーガレット・ワイズ・ブラウンの心地よい文章が融合し、読み聞かせにも最適です。親子で一緒に楽しみながら、自然とマナーについて学べる素晴らしい一冊です。