
大友康夫さん作・絵の絵本『あらいぐまとねずみたち』は、1977年に福音館書店から出版されました。 物語は、森の川辺に住むアライグマの親子が、家からジャガイモや豆が盗まれたことに気づくところから始まります。こぼれた豆をたどっていくと、ネズミたちが以前なくなったおもちゃで遊んでおり、盗まれた食べ物もそこにありました。怒ったアライグマの親子でしたが、ネズミたちが食べ物に困っていることを知り、一緒に畑を作り、家を建てることを決意します。この絵本は、大友康夫さんの初めての作品であり、助け合いの大切さを描いています。
略歴
おおとも やすお
おおともやすお(大友康夫,1945 – 2020)氏は1946年に埼玉県で生まれの日本の絵本作家です。 セツ・モードセミナーで学び、ファッションモデルや役者、運転手など多様な職業を経験した後、子どもが持ち帰った絵本『ぐりとぐら』に触発されて絵本制作を始めました。1977年に『あらいぐまとねずみたち』でデビューし、その後も『どうすればいいのかな?』などの作品を多数発表。彼の作品は、保育園や幼稚園、小学校などの読み聞かせでもよく使われており、教育現場でも根強い人気があります。絵本が持つ“人と人とのつながり”や“共感”の大切さは、現代の子どもたちにとっても大切なメッセージとなっており、大友康夫さんの作品は今後も長く読み継がれていくことでしょう。
おすすめ対象年齢
対象年齢については、おおよそ読んであげるなら3才から、自分で読むなら小学低学年からとされています。 ただし、物語の内容はやさしく、登場キャラクターの感情の変化や助け合いの様子が丁寧に描かれているため、小さな子どもにも理解しやすく、心の成長を助ける絵本です。また、年齢に応じて読み方や感じ方が変わるので、繰り返し楽しめる一冊でもあります。
レビュー
『あらいぐまとねずみたち』は、助け合いの精神や思いやりの心を子どもたちに伝える素晴らしい絵本です。アライグマの親子が最初は怒りを感じつつも、ネズミたちの事情を理解し、共に協力して問題を解決していく姿は、子どもたちにとって大切な教訓となるでしょう。また、細部まで描かれたイラストは、物語の世界に引き込まれる魅力があります。親子で一緒に読むことで、共感や思いやりの心を育むきっかけとなる一冊です。