作・絵:マーカス・フィスター、訳:谷川俊太郎『にじいろの さかなと おともだち』は、2005年に講談社から発行された特別なミニ絵本です。にじうお型にくりぬかれたユニークなシェイプと、キラキラ光るうろこの仕掛けが魅力!今回はストーリーというより、にじうおの毎日を楽しく紹介する内容で、海の仲間たちとの友情がいっぱい詰まっています。さかなの友だちだけじゃなく、くじらやイルカとも仲良しなにじうお。明るく前向きな姿が印象的で、ちいさなお子さんへのプレゼントにもぴったりな一冊です。
略歴
マーカス・フィスター
マーカス・フィスター(Marcus Pfister)さんは、1960年スイス・ベルン生まれの絵本作家・イラストレーターです。ベルンの美術学校でグラフィックデザインを学び、広告業界を経て絵本の世界へ。1992年に発表した『にじいろのさかな(原題:der regenbogenfisch)』が世界的な大ヒットとなり、現在では50か国以上で翻訳され、多くの子どもたちに愛されています。透明感のある美しいイラストが特徴で、水彩とホイル加工を組み合わせた独自の技法も魅力です。
谷川俊太郎(訳)
谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう, 1931年-2024年)さんは、東京生まれの詩人、翻訳家、絵本作家です。1952年に詩集『二十億光年の孤独』でデビューし、その独創的で感受性豊かな詩風が注目を集めました。以来、詩だけでなく、絵本や脚本、翻訳など多岐にわたる分野で多才な才能と日本文学への多大な貢献を物語っています。
絵本分野では、レオ・レオニの『スイミー』や『フレデリック』の翻訳で知られ、その簡潔で美しい日本語訳が作品に新たな命を吹き込みました。また、絵本『もこ もこもこ』や詩画集『ことばあそびうた』など、自身のオリジナル作品でも多くの読者に親しまれています。
受賞歴も多く、読売文学賞(1983年)、野間児童文芸賞(1988年)、朝日賞(1996年)など、国内外で高く評価されました。晩年には国際的な詩の賞も受賞し、日本文学の世界的な地位向上にも寄与しました。詩を通じて日常の深さを表現し続け、2024年に永眠されました。その作品と影響は、今も多くの人々に愛されています。
おすすめ対象年齢
『にじいろの さかなと おともだち』の対象年齢は0歳〜3歳くらい。簡単な言葉とやさしい絵で、読み聞かせデビューにもぴったりです。にじうお型のユニークな形とキラキラ光るページが、視覚的にも楽しめて、飽きずに何度でも読みたくなります。
レビュー
この絵本は、シリーズの中でも特にかわいらしくて、気軽に手に取りやすい1冊です。ストーリー性は控えめですが、にじうおの明るく元気な日常やお友だちと挨拶する姿が描かれていて、見ているだけでほっこり。お友だちがたくさんいるっていいなぁ、と子どもにも伝わる内容です。しかも、本の形がにじうおのシルエットになっていて、特別感があってとても楽しい!プレゼントにもおすすめですし、読み聞かせタイムのアクセントにも◎です。