
いもとようこさんの絵本『おむすびころりん』は、2000年に岩崎書店から出版されました。この作品は、日本の昔話を優しいタッチのイラストと共に描いており、山でおむすびを落としたおじいさんが、ねずみたちの住む穴に導かれ、彼らとの交流を通じて宝物を得る物語です。その後、欲張りなおじいさんが同じことを試みますが、思わぬ結果に終わります。いもとさんの温かみのある絵とリズミカルな文章が特徴で、親子で楽しめる一冊となっています。
略歴
いもとようこ
いもとようこさん(本名:井本蓉子)は、1944年兵庫県生まれの絵本作家・挿絵画家です。金沢美術工芸大学油絵科を卒業後、小学校教員を経て絵本の世界に入りました。独自の貼り絵技法で温かみのある作品を多数手がけ、出版された絵本は400冊以上にのぼります。主な受賞歴として、1985年度『ねこの絵本』、1986年度『そばのはなさいたひ』でボローニャ国際児童図書展エルバ賞を2年連続受賞しています。ちぎった和紙の貼り絵に着色する独自の技法で、柔らかく温かな表情の人物や動物を描き、創作童話や日本の昔話、世界の名作など多くの絵本を手がけ国際的にも高く評価されています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は幼児からとされています。優しいイラストとシンプルなストーリー展開のため、小さなお子さんでも理解しやすく、読み聞かせにも適しています。また、リズム感のあるセリフが繰り返し登場するため、子どもたちの興味を引きやすく、何度も楽しめる内容となっています。
レビュー
本作は、いもとようこさんの温かみのあるイラストとリズミカルな文章が印象的で、親子で心温まる時間を過ごせる作品です。おじいさんとねずみたちの交流を通じて、善行の大切さや欲張りの結果について学ぶことができます。また、繰り返しのフレーズやリズム感のあるセリフが子どもたちの興味を引き、読み聞かせの際に一緒に声に出して楽しむことができるでしょう。日本の昔話を現代の子どもたちにも親しみやすく伝える一冊として、おすすめです。