ゴムあたまポンたろう/長 新太

『ゴムあたまポンたろう』は、長新太さんによる絵本で、1998年に童心社から初版が発行されました。物語は、頭がゴムでできているポンたろうが、山にぶつかりボールのように空を飛び回る冒険を描いています。 ​ゴムの頭を持つ彼は、どんなものに当たっても痛みを感じず、山にぶつかった勢いで空を飛び、大男の角やおばけの町、ジャングル、サバンナなど、さまざまな場所を巡ります。 ​この奇想天外な旅は、読者を不思議な世界へと誘い、想像力を刺激します。本作は、第45回青少年読書感想文全国コンクールの課題図書(小学校低学年の部)に選ばれ、第4回日本絵本賞を受賞するなど、高い評価を受けています。

略歴

長 新太

長 新太(ちょう しんた,1927年 – 2005年)さんは、日本の漫画家・絵本作家・エッセイスト。東京都大田区出身。戦後、映画館の看板屋を経て、1948年に東京日日新聞の漫画コンクールで入選し、漫画家としてデビュー。その後、絵本作家としても活動を広げ、『ごろごろにゃーん』、『ぼくのくれよん』、『タコのバス』などユーモアあふれる作品を発表し、子どもから大人まで広く愛されました。1959年に文藝春秋漫画賞を受賞し、1994年には紫綬褒章を受章。2005年には『ないた』で日本絵本賞を受賞。享年77歳。

おすすめ対象年齢

対象年齢は3歳以上とされていますが、 ​そのユーモラスでナンセンスな内容は、幼児から小学生、さらには大人まで幅広い層が楽しめる作品です。​特に、繰り返しの展開やリズミカルな表現は、小さな子どもたちの興味を引きつけます。

レビュー

本書は、長新太さんらしい独特のナンセンスとユーモアが詰まった作品です。​ポンたろうが次々と異なる場所やキャラクターに出会いながらも、常に前向きで柔軟な姿勢を保つ姿は、読者に自由な発想と冒険心の大切さを教えてくれます。​また、予測不能な展開と鮮やかなイラストレーションが相まって、読む者を飽きさせません。​子どもたちだけでなく、大人も童心に返って楽しめる一冊です。