中川ひろたかさん作、日隈みさきさん絵の『ゴムブタボート』(2021年、岩崎書店)は、ナンセンスで元気いっぱいのユニークなお話。ある日、こぶたがカラスに「みっともない」と言われてしまいます。落ち込むかと思いきや、こぶたはゴムのように変身しながら、へんてこな仲間たちとどんどん出会い、どんどん楽しくなっていきます! 「自分らしさってなんだろう?」と感じさせつつ、読んだあとにふわっと心が軽くなる絵本です。笑いあり、発見ありの一冊!
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
日隈 みさき(絵)
日隈みさき(ひのくま・みさき)さんは、三重県四日市市生まれ、滋賀県在住の絵本作家・イラストレーター。1986年生まれで、2008年に大阪デザイナー専門学校を卒業。2012年には「第13回ピンポイント絵本コンペ」で最優秀賞を受賞し、審査員の内田麟太郎さんとの共作『ゴリラでたまご』(WAVE出版/2013年)で絵本デビュー。以後、児童向け教材やキャラクター制作、挿絵など多方面で活動中。人や動物を、動きのあるユーモラスなタッチで描くのが得意で、見ているだけで楽しくなる表現力が魅力です。
おすすめ対象年齢
『ゴムブタボート』の対象年齢はおおよそ3歳から小学校低学年くらいがおすすめです。コミカルでテンポの良いストーリーと、ユニークなイラストが魅力なので、読み聞かせにもぴったり。ナンセンスな展開に子どもたちの笑い声があふれること間違いなしです!
レビュー
『ゴムブタボート』は、まさに中川ひろたかさんらしい自由な発想と、日隈みさきさんの表情豊かなイラストが絶妙にマッチした一冊。こぶたが「ゴムみたい」に変身していくユニークな展開に、「次はどうなるの!?」とワクワクが止まりません。自分らしさを見失いそうになっても、仲間と出会い、笑い合うことで元気を取り戻すこぶたの姿が、なんとも愛おしい。読後にふっと心が軽くなる、そんなナンセンスの中に優しさが光る絵本です。