『しょうぼうしのサルサさん』(2016年、講談社)は、中川ひろたかさんのユーモアたっぷりなお話と、市原淳さんのポップで明るい絵が魅力の絵本です。ある日、「けむり、はっけん!」と通報が入り、ハッピー消防署のサルサさんがすぐに出動! ホースをぐんぐんのばして駆けつけた先には…思わずクスッと笑ってしまう展開が待っています。しごとにまじめで、どこかとぼけたサルサさんの姿がなんともかわいらしくて、読み終えたあとに元気が出る一冊です。
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
市原 淳(絵)
市原 淳(いちはら じゅん)さんは、愛知県出身のイラストレーター・絵本作家で、大阪芸術大学デザイン学科を卒業。2009年にはオリジナルキャラクター「Poppets Town」がカナダでアニメ化され、世界約100カ国で放送されました。絵本作品には『もいもい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)のほか、『ふたごのひつじ ポコとモコ』(ポプラ社)、『ゆうびんやさんのココリさん』(講談社)などがあります。また、雑貨や広告のイラストレーションも手がけ、多方面で活躍中です。
おすすめ対象年齢
『しょうぼうしのサルサさん』の対象年齢は、およそ3歳~6歳ごろの未就学児向けです。はたらく車や消防士に興味を持ち始めた子どもたちにぴったりで、リズムの良い文章とユニークな展開が、読み聞かせにもぴったり。繰り返し読んでも楽しめる絵本です。
レビュー
サルサさん、最高にかわいくておもしろいです!「けむり、はっけん!」っていう緊急感のある出だしなのに、読み進めるとちょっと予想外で笑っちゃう展開。ホースをどんどんのばしていくシーンは、子どもたちが「次はどうなるの!?」ってワクワクするはず。働く車好きな子にもぴったりだし、なによりサルサさんの表情がたまらない。市原淳さんのあったかくてポップなイラストもテンポのよいストーリーにぴったりで、親子で読むと自然と笑顔になれる絵本です。