わがままいもうと/ねじめ 正一

『わがままいもうと』(文:ねじめ正一/絵:村上康成/2005年 教育画劇)は、「アイスクリームが食べたいの…」と突然言い出す妹のために、お兄ちゃんがなんどもお菓子屋さんを行ったり来たり!最初はかわいかった妹のわがままも、だんだんエスカレートしていって…。兄妹の日常を描きながらも、ちょっぴりコミカルでテンポのよい展開がクセになる作品です。村上康成さんの明るく元気なイラストも魅力。兄妹あるあるに、つい笑ってしまう一冊です。

略歴

ねじめ 正一

ねじめ正一(ねじめ・しょういち)さんは1948年、東京生まれ。詩人・作家として活躍し、詩集『ふ』でH氏賞、小説『高円寺純情商店街』で直木賞を受賞。下町的で人情味ある視点から作品を紡ぐのが特徴。エッセイやラジオ出演も多く、子ども向けの詩や絵本にも数多く関わっています。絵本では『わがままいもうと』『ずんずんばたばたおるすばん』なども知られています。

村上 康成(絵)

村上康成(むらかみやすなり)さんは1955年岐阜県生まれ。魚や森など自然をテーマにした作品が多く、「自然派アーティスト」としても知られます。代表作に『ピンクとスノーじいさん』や『なつのいけ』などがあり、1995年には『ようこそ森へ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。中川ひろたかさんとのコンビでも多くの絵本を手がけ、子どもたちの成長や日常をやさしく描き出しています。個展や講演活動も精力的に行い、絵本の魅力を広げ続けています。

おすすめ対象年齢

『わがままいもうと』は、4歳ごろから小学校低学年くらいの子どもにおすすめです。きょうだいのやりとりが身近に感じられる内容で、読み聞かせにもぴったり。言葉のテンポがよく、お話の流れもわかりやすいので、子どもたちも自然と引き込まれます。

レビュー

読んでると「あるある!」と声に出しちゃいそうな兄妹のやりとりがとってもリアルで面白い!妹の“わがまま”に振り回されるお兄ちゃん、ちょっと気の毒だけど、なんだかんだで付き合ってあげる優しさにほっこりします。どんどん無茶ぶりがエスカレートしていく展開もテンポよくて、読んでて笑いが止まりません。村上康成さんのイラストも、表情や動きが豊かで、読みながら自然と情景が浮かんできます。兄弟姉妹がいる家庭なら共感まちがいなし!