そばせい/川端 誠

『そばせい』は川端誠さんの落語絵本シリーズ第9巻で、2005年1月にクレヨンハウスから刊行されました。主人公は「そば清」こと清さん。ある日、もりそば40枚食べられると言っていた彼が、「60枚食べたら10両くれ」という賭けに乗り挑戦することに。ところが、秘策をこっそり懐に忍ばせて臨みますが、予想外のどんでん返しが待ち構えています。川端さんのイラストは迫力たっぷりで、食べるシーンも賭けの緊張感も生き生きと描かれています。ストーリーの展開がテンポよく、落語の醍醐味である「オチ」の面白さもバッチリ味わえる一冊。読み聞かせにも最適で、大人も思わず引き込まれる作品です。

略歴

川端 誠

川端 誠(かわばた まこと)さんは、1952年に新潟県長岡市で生まれた絵本作家・イラストレーターです。多摩美術大学を卒業後、デザインやイラストレーションの仕事を経て、絵本制作の道に進みました。1980年代から絵本作家としての活動を本格化させ、特に古典落語や日本の伝統文化を題材にした作品で知られています。代表作には、落語絵本シリーズの『じゅげむ』『はつてんじん』『めぐろのさんま』などがあり、ユーモラスな語り口と温かみのあるイラストで、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれています。また、古典文学を題材にした『平家物語』や『源氏物語』の絵本化にも取り組み、日本の伝統文化をわかりやすく伝える作品を多数手がけています。その功績により、数々の児童文学賞を受賞し、日本の絵本界において重要な存在となっています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、6歳以上から特に楽しめます。賭け事の駆け引きや「秘策」「どんでん返し」などが理解できる年齢にぴったり。スリルある展開と緩急の効いた語り口が、子どもの好奇心をくすぐります。読み聞かせの際には、賭けのルールや江戸時代のお金(両とか分)について一緒に話すと、学びの要素もプラスされて◎。

レビュー

『そばせい』、めちゃくちゃ面白かったです!大食い競争じゃなくて“賭け”という切り口がユニークで、清さんの秘策に思わずニヤリ。川端さんのイラストも、そばをすすり込む迫力や賭けの緊張感がすごく伝わってきて見応え十分。読み聞かせで声を張って読むと、「60枚…?!」と子どもたちも大盛り上がり。オチの驚きが効いていて、大人でも「そう来たか!」と感心しました。落語って難しそうと思う人でも、サクッと楽しめるリズムとテンポ感が魅力。家族で笑いながら、お金やルールの話もできる最高の一冊です。