
『ごめんね!』は、作家ノルベルト・ランダとイラストレーターのティム・ワーンズによる絵本で、日本語版は三辺律子さんが翻訳し、2011年にブロンズ新社から出版されました。 原作の英語版『Sorry!』は、2005年にイギリスで発行されています。 この絵本は、大の仲良しであるうさぎくんとくまくんが、キラキラ光る不思議なものを見つけたことから大げんかをしてしまう物語です。 友情の大切さと「ごめんね」と謝ることの重要性を描いており、親子で「ともだち」や「ごめんね」について考えるきっかけを与えてくれます。
略歴
ノルベルト・ランダ
ノルベルト・ランダ(Norbert Landa)は、1952年にオーストリアで生まれました。 彼はジャーナリスト、演出家、作詞家としてのキャリアを積んだ後、妻で画家のハンネ・テュルク(Hanne Türk)と共に絵本制作に取り組みました。 その共同作業の成果として『ねずみのフィリップ』を発表し、絵本作家としてデビューしました。 これまでに120冊以上の絵本を手掛けており、その多くが世界中で翻訳・出版されています。 代表作には『ごめんね!』などがあり、子どもたちに親しまれています。
ティム・ワーンズ(絵)
イラストを担当したティム・ワーンズ(Tim Warnes)は、イギリスを拠点に活動するイラストレーターで、数多くの児童書の挿絵を手がけています。ティムは温かみとユーモアを感じさせるスタイルで、動物たちのキャラクターや自然豊かな風景を描くことが得意です。彼のイラストは、物語の世界を豊かに彩り、子どもたちの想像力をかきたてます。ティムは、特に家族向けの絵本や教育的な作品での仕事が多く、アメリア・ヘプワースとのコラボレーション作品は多くの読者に愛されています。
三辺 律子(訳)
三辺律子さんは、英米文学の翻訳家。東京都出身で、聖心女子大学英語英文科を卒業後、白百合女子大学大学院児童文化学科を修了されました。在学中に翻訳家の神宮輝夫氏の指導を受け、『こわいものなんて何もない』の翻訳でデビューされました。その後、『龍のすむ家』シリーズや『マザーランドの月』など、多くの児童書やファンタジー作品を手がけられています。また、海外文学ブックガイド「BOOKMARK」の編集人としても活動し、海外文学の魅力を広めることに尽力されています。翻訳を通じて、幅広い世代に物語の面白さを伝えている翻訳家です。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から5歳程度とされています。 物語の内容や絵の表現が幼児にも理解しやすく、また、友達との関わり方や謝ることの大切さを学ぶ良い機会となるでしょう。
レビュー
本作は、悲しみや喪失を経験した際の心の変化と、その回復を繊細に描いています。ジェファーズの独特なイラストと物語は、読者に感情の大切さや、心を閉ざすことの影響について深く考えさせられます。心の痛みを避けるために感情を閉じ込めることが、逆に人生の喜びや驚きを失わせることを教えてくれる、深いメッセージ性を持った作品です。