すいかくんがね・・/とよた かずひこ

とよたかずひこさんの『すいかくんがね・・』(2010年 童心社)は、夏の定番イベント「すいかわり」を題材にした楽しい絵本です。ひょいひょいと棒をよけるすいかくんの動きに、子どもたちは夢中に。みんなが頑張って叩こうとしても、すいかくんは「しんぱいごむよう!」と元気に返します。やがて真っ赤に熟したすいかが登場し、みんなで美味しくいただくハッピーエンド。ユーモアあふれる展開とリズミカルな文章で、読み聞かせにもぴったり。夏のワクワク感を楽しみながら、遊び心いっぱいのストーリーが親子で笑顔を呼びます。

略歴

とよた かずひこ

とよたかずひこ(本名:豊田 一彦)さんは、1947年、宮城県仙台市に生まれました。早稲田大学第一文学部を卒業されています。大学卒業後はフリーのイラストレーターとして活動し、長女の誕生をきっかけに絵本作家へと転身しました。1997年には『でんしゃにのって』で厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦を受け、2001年には『どんどこ ももんちゃん』で第7回日本絵本賞を受賞しています。また、『あめですよ』は小学1年生の国語教科書(東京書籍)に採用されるなど、多くの作品が親しまれています。

おすすめ対象年齢

『すいかくんがね・・』の対象年齢は1歳頃から。短いフレーズやリズミカルな擬音が多く、小さな子どもでも楽しめます。スイカ割りという夏の遊びを題材にしているので、季節感を感じながら、親子での読み聞かせや指さし遊びを通して遊び心や集中力を育むのにぴったりの一冊です。

レビュー

この絵本は、夏の風物詩スイカ割りをコミカルに描いていて、読んでいるだけでワクワクしてきます。すいかくんが棒をひょいひょい避ける場面は、子どもと一緒に声を出して楽しめるのが魅力です。「しんぱいごむよう!」というセリフが出るたびに笑顔が広がり、最後にはみんなで美味しいすいかを食べるシーンでほっこり。短くてリズミカルな文章とカラフルなイラストで、小さな子どもでも最後まで集中して楽しめます。夏の遊び心と親子の触れ合いが感じられる素敵な絵本です。