中川ひろたかさんが文、長谷川義史さんが絵を手がけた『スモウマン』(2002年 講談社)は、「弱きを助け、悪しきをくじく!」をモットーに登場する新ヒーロー、スモウマンのお話。ふだんはパッとしない幕下力士だけど、困っている人の声が聞こえると「ドスコーイ!」のかけ声で大変身!なんと空を飛んで助けにいっちゃうんです。ユニークな絵と言葉あそびが満載で、開くたびに新しい発見があるのが魅力。笑って楽しめる、でも実はめっちゃ練られた一冊!
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
長谷川 義史(絵)
長谷川義史(はせがわよしふみ)さんは、1961年大阪府藤井寺市生まれ。 グラフィックデザイナーからイラストレーターを経て、2000年に『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』で絵本作家としてデビューしました。 2003年には『おたまさんのおかいさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。また、2008年には『ぼくがラーメンたべてるとき』で日本絵本賞と小学館児童出版文化賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。
おすすめ対象年齢
『スモウマン』の対象年齢は、おおよそ3歳〜小学校低学年くらいがおすすめ。テンポの良い展開や、声に出して読んで楽しいリズム感、そしてクスッと笑えるダジャレの数々が、小さい子にもウケるし、大人も一緒に楽しめちゃう内容です。
レビュー
読んでまず思ったのは、「これ、めっちゃ笑える!」ってこと。スモウマンのビジュアルも最高だし、急に空飛んじゃうっていう突飛な設定もクセになる。中川ひろたかさんの言葉遊びと、長谷川義史さんのあたたかくてユーモアたっぷりの絵が絶妙にマッチ。子どもたちの笑い声が聞こえてきそうな元気な絵本だけど、よく見ると細部までこだわっていて、読み返すたびに新しい発見があるのもスゴイ。親子で読んで「また読んで〜!」ってなる系の一冊です!