『しっぽ』(作:C.W.ニコル/絵:杉野宣雄)は、題名そのまま、動物の「しっぽ」の不思議さと面白さに迫る絵本です。押し花アートやうつし染めで描かれた動物たちは、しっぽの役割や仕草を通じて、「フリフリして何かを伝えているんだな」と気づかせてくれます。自然を愛するニコルさんならではの視点が光り、絵と文章がステキなハーモニーを奏でています。2004年にアートデイズから刊行されました。まるで自然の観察会のように、親子でじっくり味わいたい一冊です。
略歴
C.W.ニコル
C.W.ニコル(1938–2020)は、ウェールズ生まれの自然保護活動家で、後に日本に移住し日本国籍を取得した作家でもあります。1958年に北極圏を訪れ自然観察を始め、後に日本で空手を学び、エチオピアでは国立公園創設にも関わるなど、世界中で自然との関わりを深めました。執筆活動の傍ら「アファンの森財団」を設立し、森林再生や環境教育を推進。多くの児童書も手がけ、自然の大切さをやさしく伝える作品が支持されました。
杉野 宣雄(絵)
杉野宣雄(すぎの のぶお)さんは1966年、福岡県大牟田市生まれ。日本大学を卒業後、父親とともに押し花の研究と普及に取り組み、1991年に「花と緑の研究所」を設立されました。押し花アート(ボタニックアート)を提唱し、植物の色をそのまま活かす手法で、絵本『しっぽ』(共著:C.W.ニコル)にも「押し花」「うつし染め」を用いたユニークなイラストを提供されています。フィラデルフィアフラワーショーで金賞受賞や、オリンピックメダリストへのビクトリーブーケ制作、国内外での個展やワークショップなど、アートの枠を越えた幅広い活動で知られています。
おすすめ対象年齢
この絵本は、3~7歳くらいのお子さんにおすすめです。しっぽという身近なテーマを、アートとともにやさしく描いているので、絵を見ながら「しっぽで何を伝えてるのかな?」と会話も広がります。どんな動物にも注目してほしい、自然とコミュニケーションを楽しめる一冊です。
レビュー
『しっぽ』を初めて開いた時、まず絵に目が釘付けになりました。押し花や染め技法で描かれた動物たちがなんとも味わい深くて、しっぽの細かな動きが伝わってきます。「しっぽってただの飾りじゃないんだな」と自然のサインに優しく気づかされる感じ。ニコルさんの言葉とアートがしっぽへの好奇心をくすぐり、親子でページをめくるたびに「あれは何を表してるのかな?」と楽しく想像が広がります。静かに語りかけてくる自然の声が聞こえるような、心がほどける時間をくれる絵本です。