中川ひろたかさん作、村上康成さん絵の『たなばたプールびらき』(1997年 童心社)は、人気の「ピーマン村」シリーズの一冊です。七夕の日、ある子どもの願いはなんと「天の川で泳ぎたい!」。すると流れ星が子供たちの前に!織姫と彦星が登場し、プールびらきが天の川で行われることに。園長先生の号令でしっかり準備体操をして、みんなで星空の下を泳ぎます。予測不能の展開と明るくユーモラスな描写で、七夕をぐっと身近に感じられる楽しい物語。夏の季節行事を盛り上げてくれる絵本です。
略歴
中川 ひろたか
中川ひろたかさんは1954年埼玉県生まれ。シンガーソングライター、絵本作家、保育士などさまざまな顔を持つクリエイター。1995年に『さつまのおいも』でデビュー。また『ないた』で日本絵本賞受賞。モー・ウィレムズ作品をはじめ、翻訳絵本も多く手がけ、独自のユーモアある語り口が魅力。さらに作曲された『世界中のこどもたちが』などの歌が、保育現場でも広く親しまれています。
村上 康成(絵)
村上康成(むらかみやすなり)さんは1955年岐阜県生まれ。魚や森など自然をテーマにした作品が多く、「自然派アーティスト」としても知られます。代表作に『ピンクとスノーじいさん』や『なつのいけ』などがあり、1995年には『ようこそ森へ』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞を受賞。中川ひろたかさんとのコンビでも多くの絵本を手がけ、子どもたちの成長や日常をやさしく描き出しています。個展や講演活動も精力的に行い、絵本の魅力を広げ続けています。
おすすめ対象年齢
『たなばたプールびらき』は、3歳頃から小学校低学年くらいまでの子どもにおすすめの絵本です。七夕の行事に親しむきっかけとしてもぴったりで、プールやお祭りといった子どもたちが大好きなテーマが描かれているので、園や家庭での読み聞かせにも最適です。ユーモアのある展開に、年齢を問わず楽しめます。
レビュー
『たなばたプールびらき』を読んで、七夕という行事がこんなにワクワクするものに変わるのかと驚きました。子どもたちの願いがまさかの形で叶えられ、織姫と彦星まで巻き込んでしまう発想がとてもユニーク。天の川で泳ぐという夢のような光景が、ページいっぱいに広がっていて読んでいて楽しい気持ちになります。園長先生まで一緒に準備体操をする場面もコミカルで笑えました。七夕の夜がぐっと身近になり、星空を見上げるのが楽しみになる一冊だと思います。