てんごくのおとうちゃん/長谷川 義史

​『てんごくの おとうちゃん』は、絵本作家・長谷川義史さんの自伝的作品で、2008年に講談社から刊行されました。 ​物語は、幼い頃に父親を亡くした少年が、天国の父に宛てた手紙の形式で進行します。 父との思い出や日常の出来事をユーモラスかつ温かく描き、読者の心に深く響く内容となっています。この絵本は、長谷川さん自身の実体験に基づいており、父親との限られた思い出や、その喪失感が描かれています。

略歴

長谷川義史

長谷川義史(はせがわよしふみ)さんは、1961年大阪府藤井寺市生まれ。 ​グラフィックデザイナーからイラストレーターを経て、2000年に『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』で絵本作家としてデビューしました。 ​2003年には『おたまさんのおかいさん』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。​また、2008年には『ぼくがラーメンたべてるとき』で日本絵本賞と小学館児童出版文化賞を受賞するなど、多くの作品で高い評価を得ています。

おすすめ対象年齢

内容の深さやテーマ性を考慮すると、小学校中学年から高学年(8歳〜12歳)以上に適していると考えられます。特に、家族の愛情や死別のテーマを理解できる年齢の子どもに響く内容です。また、大人が読んでも心にしみる作品であり、親子で一緒に読むことでより深い感動を得られるでしょう。関西弁の語り口が親しみやすく、読書が得意でない子どもにもおすすめです。

レビュー

『てんごくの おとうちゃん』は、長谷川義史さんの実体験に基づいた作品で、親子の絆や喪失を温かく、時にユーモラスに描いています。父を亡くした少年の視点から、日常の些細な出来事や思い出が天国の父への手紙という形で綴られ、読者の心に深く響きます。関西弁の語り口が温かみを加え、悲しみの中にも優しさや愛情が溢れています。死をテーマにしながらも重苦しくなく、むしろ生きることの大切さを教えてくれる一冊。親子で読めば、より絆が深まる作品です。

タイトルとURLをコピーしました