ふたごのカウボーイ/フローレンス・スロボドキン

『ふたごのカウボーイ』は、フローレンス・スロボドキン作、ルイス・スロボドキン絵による絵本で、2018年に瑞雲舎から日本で翻訳出版されました。物語は、双子のネッドとドニーがカウボーイごっこをしながら冒険に出かけ、迷子になるまでを描いています。彼らの想像力豊かな遊びと、それに巻き込まれる大人たちの反応がユーモラスに描かれています。

略歴

フローレンス・スロボドキン

フローレンス・スロボドキン(Florence Slobodkin,1905年-1994年)は、アメリカ・ニューヨーク州出身の詩人・作家です。夫であるルイス・スロボドキンと共に、多くの絵本を制作しました。代表作には『てぶくろがいっぱい』や『ふたごのカウボーイ』などがあります。彼女の作品は、日常生活の中にある温かさや人々の優しさを繊細に描写しており、読者に深い感動を与えます。また、夫との共同制作により、物語とイラストが調和した魅力的な作品を数多く生み出しました。彼女の作品は、子どもたちだけでなく、大人にも愛され続けています。

ルイス・スロボドキン

ルイス・スロボドキン(Louis Slobodkin、1903年–1975年)は、アメリカの芸術家、作家、挿絵画家です。ニューヨーク州でウクライナ出身の両親のもとに生まれ、ニューヨークの美術学校を卒業後、彫刻家としてのキャリアをスタートさせました。その後、児童文学作家エレナー・エスティスとの出会いをきっかけに、児童書の挿絵を手がけるようになりました。彼の挿絵を担当した作品には、『元気なモファットきょうだい』や『百まいのドレス』などがあります。彼の作品は、温かみと親しみやすさが特徴で、子どもたちだけでなく大人にも愛されています。また、妻であるフローレンス・スロボドキンと共作した絵本も多く、夫婦で児童文学の世界に多大な貢献をしました。1975年に逝去しましたが、彼の作品は現在も多くの読者に親しまれています。

小宮 由

小宮 由(1974年生まれ)さんは東京都出身の翻訳家。学生時代を熊本で過ごし、大学卒業後、児童書出版社に入社。2001年に留学し、帰国後はいくつかの出版社勤務を経て、翻訳家として活動を開始しました。2004年から東京・阿佐ヶ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰しています。家族も児童書に関わる仕事をしており、祖父はトルストイ文学の翻訳家・北御門二郎です。

おすすめ対象年齢

『ふたごのカウボーイ』は、5歳から小学校低学年(6~7歳)向けの幼年童話として位置づけられています。物語の長さや内容が、読み聞かせだけでなく、子どもが自分で読む初めての本としても適しています。

レビュー

『ふたごのカウボーイ』は、子どもの豊かな想像力と冒険心を巧みに描いた作品です。ネッドとドニーの純粋な遊び心と、それに対する大人たちの反応が微笑ましく、読者を引き込みます。スロボドキン夫妻の温かみのある文章とイラストが融合し、物語に深みを与えています。また、小宮由氏の丁寧な翻訳により、日本の読者にもその魅力が伝わります。子どもたちの冒険心を刺激し、親子で楽しめる一冊としておすすめです。

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