グラファロのおじょうちゃん/ジュリア・ドナルドソン

『グラファロのおじょうちゃん』は、イギリスの作家ジュリア・ドナルドソンが手掛けた絵本『The Gruffalo’s Child』の日本語版です。原作は2004年にイギリスで出版され、日本語版は久山太市の翻訳により2008年に刊行されました。物語は、父親であるグラファロから「恐ろしいネズミ」の話を聞いたおじょうちゃんが、その存在を確かめるために雪の森へ冒険に出るという内容です。リズミカルな文章と魅力的なイラストが特徴で、親子で楽しめる作品となっています。

略歴

ジュリア・ドナルドソン

ジュリア・ドナルドソン(Julia Donaldson, 1948年生まれ)は、イギリスの著名な児童文学作家、詩人、劇作家です。彼女は約200冊もの本を出版しており、その多くは子どもたちに愛される絵本です。特に「グラファロ」シリーズは、ユーモアとリズミカルな言葉遣いで世界中の読者に親しまれています。彼女はロンドンで生まれ、ケンブリッジ大学でフランス語と演劇を学びました。キャリアの初期には、子ども向けのテレビ番組の脚本や楽曲制作を手掛けていました。彼女の作品は、想像力豊かなストーリーと韻を踏んだ軽快な文章が特徴で、多くの作品がアクセル・シェフラー(Axel Scheffler)のイラストで彩られています。ジュリアはまた、2011年から2013年までイギリスの児童文学の発展を支援する「チルドレンズ・ローレート」に任命され、子どもの読書促進や学校教育への貢献に力を注ぎました。

アクセル・シェフラー(絵)

アクセル・シェフラーは、1957年にドイツのハンブルクで生まれたイラストレーターです。ミュンヘン大学で美術史を学んだ後、1982年にイギリスへ移住し、バース大学でグラフィックデザインを専攻しました。彼はジュリア・ドナルドソンとの共作で知られ、特に『グラファロ もりでいちばんつよいのは?』の挿絵で高い評価を受けています。シェフラーの独特なスタイルは、鮮やかな色彩とユーモラスなキャラクター描写が特徴で、子どもから大人まで幅広い読者に親しまれています。彼の作品は世界中で翻訳・出版され、多くの賞を受賞しています。現在もロンドンを拠点に活動を続けています。

久山 太市(訳)

グラファロ―もりでいちばんつよいのは?』や『グラファロのおじょうちゃん』の日本語翻訳者である久山太市さん。また、久山太市さんは他にもハンス・ウィルヘルム作『ずーっとずっとだいすきだよ』『ぼくたちまたなかよしさ!』、アンソニー・ブラウン作『うちのママってすてきなの』などの英米の絵本や物語の翻訳も手がけておられます。

おすすめ対象年齢

この絵本の対象年齢は、おおむね3歳から5歳頃とされています。物語の長さや言葉の難易度、ストーリーの内容がこの年齢層に適しており、読み聞かせや自分で読むことを通じて、子どもたちの想像力や語彙力を育むのに役立ちます。

レビュー

『グラファロのおじょうちゃん』は、前作『グラファロ』の続編として、親子の絆や冒険心を描いた心温まる物語です。おじょうちゃんの好奇心と勇気が描かれており、子どもたちに探求心の大切さを伝えます。また、リズミカルな文章と繰り返しの表現が、読み聞かせに最適で、子どもたちも物語に引き込まれることでしょう。イラストレーター、アクセル・シェフラーの温かみのあるイラストも魅力的で、親子で何度も楽しめる一冊です。

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