たいせつなこと/マーガレット・ワイズ・ブラウン

『たいせつなこと』は、マーガレット・ワイズ・ブラウンが文を、レナード・ワイスガードが絵を手がけた絵本で、1949年にアメリカで出版されました。日本では、うちだややこ(内田也哉子)による翻訳で、2001年にフレーベル館から刊行されています。この絵本は、日常の中にある物や自然現象について、その本質や大切なことを詩的な言葉で綴っています。例えば、リンゴや風、雨など、身近なものの特徴を優しく語りかけるような文章が特徴です。最後には「あなたがあなたであること」の大切さを伝え、読む人に深い感動を与えます。

略歴

マーガレット・ワイズ・ブラウン

マーガレット・ワイズ・ブラウン(Margaret Wise Brown, 1910-1952)は、アメリカを代表する児童文学作家で、多くの子どもたちに愛される絵本を生み出しました。特に『おやすみなさい おつきさま』(Goodnight Moon)は、彼女の代表作として知られています。ニューヨーク生まれのブラウンは、幼少期から動物や自然への関心を持ち、のちにホリンズ大学で教育を学びました。後、教師として働きながら執筆活動を開始。彼女の作品は、シンプルでリズミカルな言葉遣いと、子どもの感性を捉えた内容が特徴です。若くして急逝しましたが、その作品は今もなお、多くの読者に親しまれています。

レナード・ワイスガード(絵)

レナード・ワイスガード(Leonard Weisgard、1916年 – 2000年)は、アメリカの絵本作家・イラストレーターです。1947年に『The Little Island』でコールデコット賞を受賞し、その後も多くの作品で高い評価を得ました。彼のイラストは、独特の色彩感覚とデザイン性が特徴で、絵本の世界に新しい風を吹き込みました。マーガレット・ワイズ・ブラウンとのコンビで多くの作品を手がけ、その中でも『たいせつなこと』は代表作の一つとされています。

うちだややこ(訳)

うちだややこ(内田也哉子、1976年生まれ)は、東京都出身の文筆家・翻訳家・ナレーターです。俳優の本木雅弘氏と結婚し、3児の母でもあります。エッセイ執筆や翻訳、音楽ユニットsighboatでの活動など、多岐にわたる分野で活躍しています。『たいせつなこと』の翻訳は、彼女が新婚旅行中に原書と出会ったことがきっかけで実現しました。その後も『岸辺のふたり』や『うみ』など、多くの絵本の翻訳を手がけています。

おすすめ対象年齢

『たいせつなこと』は、5歳から大人まで幅広い年齢層におすすめできる絵本です。シンプルで詩的な文章と美しいイラストが特徴で、子どもはもちろん、大人も深く考えさせられる内容となっています。

レビュー

『たいせつなこと』は、日常の中にある当たり前のものごとに新たな視点を与えてくれる作品です。シンプルな言葉で綴られた文章は、読むたびに新たな発見や気づきをもたらします。特に最後の「あなたがあなたであること」というメッセージは、自分自身の存在意義を再確認させてくれ、心に深く響きます。内田也哉子さんの翻訳も、原作の持つ温かさや優しさを見事に伝えており、読後には心が温かくなる一冊です。 

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