『だいこんのじんせい』は、ふじむらまりこさんが作・絵を手がけたユニークな応援絵本です。ニコモから2021年に初版が刊行されました。この作品は、おでんになることを夢見る“だいこん”が主人公。だけど、手足があって…。夢を叶えるためにがむしゃらにがんばるものの、うまくいかない。でも、他の人から見るとそれが“応援”になっているかも?というメッセージが込められています。講談調の語り口もおもしろく、読みながらじんわり心に響く、そんな一冊です
略歴
あきやま ただし
ふじむらまりこさんは、1986年生まれで、武庫川女子大学生活環境学部を卒業後、管理栄養士として食品メーカーでメニュー開発に携わっていました。結婚後に退職し、自らの子育てをきっかけに「子どものために絵本を作りたい」と思い立ち、絵本作家として活動をスタート。主にオリジナル絵本を手がけ、絵本レーベル「絵本屋.com」に所属しています。代表作には『だいこんのじんせい』(2021年刊)などがあり、大人も心温まるストーリーと柔らかな絵が特徴。自作の絵本を通じて、“頑張ること”や“存在の価値”をそっと伝える作品づくりを続けています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は6才以上向けとなっています。少し長めのストーリーで、自分の存在意義やがんばることについて考える年齢にフィット。幼児でも楽しめますが、小学校低学年ぐらいから深く響く内容です。失敗や頑張りに寄り添ってくれるような、優しい優秀な一冊です。
レビュー
最初にタイトルとイラストを見たとき、「え、だいこんが主役?」と驚きましたが、読み進めるうちにグッと引き込まれました。だいこんが夢を追ってもがく姿がどこか人間臭くて、「がんばってるのにうまくいかない」っていう気持ち、すごく共感。絵のタッチも柔らかくて、講談調のリズムに乗って自然に読み進められるのが◎。何度も読みたくなるし、自分も“できてるんだ!”って思える勇気をもらえる作品。子どもにも大人にもおすすめしたくなる、しみじみ良い絵本です。