『ちいさいフクロウとクリスマスツリー』は、ジョナ・ウィンターが文、ジャネット・ウィンターが絵を手掛け、福本友美子さんが翻訳した2022年出版の絵本です。原作の英語タイトルは『The Little Owl & the Big Tree』で、2021年にアメリカで出版されました。物語は、一本の大きな木に住む小さなフクロウが主人公です。ある日、その木が切り倒され、フクロウは木の中に隠れたままニューヨークの中心部に運ばれてしまいます。この絵本は、実際に起こった出来事を基に、フクロウの冒険と新しい環境での発見を描いています。
略歴
ジョナ・ウィンター
ジョナ・ウィンターは、アメリカ・テキサス州生まれの詩人であり、児童書作家としても知られています。彼は、歴史上の人物や出来事を題材にしたノンフィクション絵本を中心に、30冊以上の作品を手掛けています。代表作には、画家ディエゴ・リベラを描いた『Diego』や、ジャズシンガーのジョセフィン・ベイカーを取り上げた『Jazz Age Josephine』などがあります。彼の作品は、子供たちに歴史や文化を伝えることを目的としており、多くの受賞歴があります。現在、ペンシルベニア州の小さな町で生活しています。
ジャネット・ウィンター(絵)
ジャネット・ウィンターは、アメリカ・シカゴ生まれの絵本作家です。シカゴの美術学校で学び、ベン・シャーンの絵に影響を受け、イラストレーションの道を選びました。彼女は、移民の子供たちやシェーカー・コミュニティ、メキシコの村の人々などを主題に、新しい伝記絵本の世界を開拓しました。代表作には、画家ジョージア・オキーフの生涯を描いた『私、ジョージア』や、環境活動家ワンガリ・マータイを取り上げた『ワンガリの平和の木』などがあります。彼女の作品は、シンプルでありながら深いメッセージを持ち、幅広い読者に親しまれています。現在、テキサスとニューヨークで1年を半分ずつ過ごしています。ジャネット・ウィンターは母親であり、ジョナ・ウィンターはその息子です。彼らは共に絵本作家として活動しています。
福本 友美子(訳)
福本友美子(ふくもと ゆみこ、1951年東京都生まれ)さんは、慶應義塾大学文学部図書館・情報学科を卒業後、調布市立図書館で児童サービスに携わりました。1980年からフリーランスで児童書の翻訳や批評、編集に取り組み、英語圏を中心とした児童文学の翻訳に定評があります。代表作に『おすわりくまちゃん』や『おやすみくまちゃん』、『リディアのガーデニング』などがあります。また、国際子ども図書館の活動やケニアでの図書館設立プロジェクトにも貢献し、子どもの読書普及や翻訳を通じて幅広く活動を続けています。
おすすめ対象年齢
この絵本の対象年齢は、3歳から6歳程度の子供たちとされています。シンプルな文章と温かみのあるイラストが特徴で、幼児から小学校低学年の子供たちに適しています。また、読み聞かせにも最適な作品です。
レビュー
この絵本を読んで、自然と人間社会の関わりについて考えさせられました。小さなフクロウの視点から描かれる物語は、環境の変化や新しい状況への適応の大切さを教えてくれます。また、実話を基にしていることで、現実の出来事に対する関心も高まります。親子で読みながら、自然や動物、そして人間の活動について話し合う良いきっかけになると感じました。


