せんろはつづく/竹下 文子

『せんろはつづく』は、文:竹下文子さん、絵:鈴木まもるさんによる絵本で、2003年に金の星社から刊行されました。こどもたちが線路を「どんどんつなげる」冒険が軽快なリズムで描かれています。山に突き当たればトンネルを掘り、川があれば鉄橋を架けて、池や道路もなんのその! やがて線路がぐるっとつながって駅が完成するまで、想像力がぐんぐん広がります。絵もカラフルでユーモラス、ついつい「どうする?」と声かけしながら読みたくなる一冊です。まさに親子でいっしょに楽しめる、線路遊びを絵本にした最高の作品!

略歴

竹下 文子

竹下文子(たけしたふみこ)さんは1957年福岡県生まれ、東京学芸大学卒業。大学在学中から童話の執筆を始め、1978年に「月売りの話」で日本童話会賞を受賞。以降、『星とトランペット』『黒ねこサンゴロウ』シリーズなどで路傍の石幼少年文学賞を受賞し、長年にわたって児童文学・絵本の世界で活躍されています。代表作には『せんろはつづく』『ひらけ!なんきんまめ』『なまえのないねこ』など、受賞歴も多数(絵本にっぽん賞、産経児童出版文化賞、講談社絵本賞など)。静岡県在住で、多くの子どもたちに親しまれている作家です。

鈴木 まもる(絵)

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

対象年齢は 3歳〜幼稚園低学年くらいがぴったりです。短いリズミカルな文と、子どもたちがワクワクしながら想像を膨らませられる内容が魅力。読み聞かせにも最適で、シンプルながら工夫する楽しさや想像力の芽を育ててくれる絵本です。

レビュー

この絵本を読むと、「線路つなげたことある?」って自然に話しかけたくなる、あの子ども時代のワクワク感が蘇ります。山や川、池などの障害を工夫して乗り越える姿に、私まで「わぁ、いい方法だね!」と応援したくなる気持ちに。鈴木さんの柔らかな絵で描かれるこどもたちの真剣な表情がたまらなくかわいくて、つい何度も見返しちゃいます。最後に駅ができる達成感もじんわり嬉しくて、「読んだ後、ブロックやレールで遊びたくなる絵本」、間違いなしです!