せんろはつづく どこまでつづく/鈴木 まもる

鈴木まもるさんの『せんろはつづく どこまでつづく』(2011年 金の星社)は、線路をつなぎながら物語が広がっていく楽しい絵本です。子どもたちが線路をつなげると、そこを新幹線やブルートレイン、貨物列車などさまざまな列車が待ってくれて連結して一緒に走ります。坂道ではディーゼル機関車の力を借りたりと、列車の特徴や工夫が自然と描かれていて、乗り物好きの子どもたちにはたまらない内容。親子で一緒に「次はどんな列車が出てくるのかな?」とワクワクしながらページをめくれる作品です。

略歴

鈴木 まもる

鈴木まもるさんは1952年東京生まれ。東京芸術大学工芸科を中退後、1980年に『ぼくの大きな木』で絵本作家としてデビュー。作品数は200冊以上にのぼります。1995年に「黒ねこサンゴロウ」シリーズで赤い鳥さし絵賞を、2006年に『ぼくの鳥の巣絵日記』で講談社出版文化賞絵本賞、2015年には『ニワシドリのひみつ』で産経児童出版文化賞JR賞など数々の受賞歴あり。伊豆半島に在住し、画家・絵本作家として活動する傍ら、鳥の巣研究家として収集・展覧会・講演なども行っています。

おすすめ対象年齢

『せんろはつづく どこまでつづく』は、主に3歳から小学校低学年くらいまでの子どもを対象にした絵本です。短いリズムのある言葉と親しみやすい絵で、小さなお子さんでも楽しく読めます。一方で列車の種類や動きが丁寧に描かれているので、鉄道に興味を持ち始めた子どもには長く楽しめる一冊です。

レビュー

この絵本はただの乗り物図鑑ではなく、物語を通じて列車や線路の魅力に触れられるのが素敵だと感じました。ページをめくるたびに次の展開が待っていて、大人も「なるほど!」と思える工夫が描かれています。坂道を越えるためにディーゼル機関車が登場したり、新幹線やブルートレインが一緒に走ったりと、鉄道の世界がぐんと広がっていく感じが楽しいです。親子で声に出して読むとリズム感も心地よく、読み聞かせにもぴったりだと思いました。鉄道好きはもちろん、そうでない子どもも夢中になる一冊です。