そらはあおくて/シャーロット・ゾロトウ

​『そらはあおくて』は、シャーロット・ゾロトウによる絵本で、原題は『The Sky Was Blue』です。​1963年にアメリカで発表されました。​日本語版は、なかがわちひろさんの訳、杉浦さやかさんの絵で、2018年にあすなろ書房から刊行されました。​本作は、古いアルバムを見ながら、母と娘が時代を超えて変わらない大切なものについて語り合う物語です。​「いつだって、そらは あおくて、くさは みどり。ゆきは しろくて つめたくて、おひさまは まぶしく あたたかい。」という言葉が繰り返され、時代が変わっても普遍的な自然の美しさと人々の営みを伝えています。

略歴

シャーロット・ゾロトウ

シャーロット・ゾロトウ(Charlotte Zolotow、1915年 – 2013年)は、アメリカ・バージニア州ノーフォーク生まれの児童文学作家、詩人、編集者です。​50年以上にわたり、出版社で児童書の編集者として多くの絵本作家を世に送り出す一方、自身でも数多くの物語を執筆しました。​代表作には『こうえんのいちにち』(1944年)、『あらしのひ』(1952年)、『ぼくは赤ちゃんがほしいの』(1972年)などがあります。​彼女の作品は、子どもの視点や感情を丁寧に描き、多くの読者に親しまれています。

杉浦 さやか(絵)

杉浦さやかさんは1971年生まれ。​日本大学芸術学部美術学科在学中よりイラストレーターとしての活動を開始しました。​独特のタッチと視点のイラストやエッセイが読者の支持を集めています。​著書には『ひっこしました』『ニュー東京ホリデイ』『世界をたべよう!旅ごはん』『たのしみノートのつくりかた』などがあります。​また、祥伝社のウェブマガジン「コフレ」で連載を持ち、自身の経験や思い出をイラストとともに紹介しています。

なかがわ ちひろ(訳)

なかがわちひろ(中川千尋)さんは、1958年に関東地方で生まれ、転勤族の家庭で育ちました。小学4年生の秋から中学3年生の秋まで仙台で過ごし、高校時代にはアメリカ・サンディエゴに1年間留学しました。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業後、劇団テアトル・エコーの座付き翻訳者としてコメディの翻訳に従事しましたが、子どもの本に強い関心を抱き、福武書店児童書編集部での翻訳活動を開始しました。以降、児童文学の作家、画家、翻訳家として多彩な作品を手がけています。翻訳作品には『ふしぎをのせたアリエル号』や『ちいさなあなたへ』などがあり、創作絵本には『のはらひめ』や「おたすけこびと」シリーズなどがあります。受賞歴も豊富で、『どうぶつがすき』で日本絵本賞翻訳絵本賞、『天使のかいかた』で日本絵本賞読者賞、『かりんちゃんと十五人のおひなさま』で野間児童文芸賞を受賞しています。彼女の作品は、子どもの豊かな感性を育むものとして高く評価されています。

おすすめ対象年齢

この絵本は、親子の会話を通じて家族の歴史や絆を感じる内容であり、対象年齢は5歳から小学校低学年程度が適しています。​ただし、家族のつながりや時代の変化を理解するため、親子で一緒に読むことでより深い理解と共感を得られるでしょう。

レビュー

『そらはあおくて』は、時代や風景が変わっても受け継がれる家族の愛情を描いた心温まる作品です。​杉浦さやかさんのイラストは、現代的で親しみやすく、物語に新鮮さを与えています。​親子で一緒に読むことで、家族の歴史やつながりについて話し合うきっかけになるでしょう。​また、なかがわちひろの翻訳も自然で読みやすく、原作の魅力を損なうことなく伝えています。​この絵本は、親子の絆や家族の歴史を感じる素晴らしい作品です。

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