
『機関車トーマス』は、ウィルバート・オードリー牧師が執筆し、レジナルド・ダルビーが挿絵を担当した絵本で、原題は『Thomas the Tank Engine』です。1946年にイギリスで発行されました。日本語版は、桑原三郎と清水周裕の翻訳により、ポプラ社から2020年に新装出版されています。この絵本は、ソドー島を舞台に、トーマスや仲間たちの冒険を描いた4つの短編から構成されています。鮮やかな挿絵とともに、子供たちに愛され続けています。
略歴
ウィルバート・オードリー
ウィルバート・オードリー(Wilbert Vere Awdry, 1911年 – 1997年)は、イギリスの牧師であり、児童文学作家です。彼は特に『機関車トーマス(The Railway Series)』シリーズで知られており、この絵本シリーズが後に世界的に人気を博したテレビ番組『きかんしゃトーマス』の基礎となりました。
『機関車トーマス』が生まれたきっかけは、1942年、彼の息子であるクリストファーが病気になった際、彼を元気づけるために即興で語り始めた物語でした。この物語が家族に好評だったことから、彼はその後も話を続け、ついに1945年に『The Three Railway Engines』として最初の絵本が出版されました。シリーズはその後も続き、世界中で親しまれる作品となりました。彼の息子クリストファーも父の遺志を継ぎ、後に『The Railway Series』の新作を手がけています。オードリー牧師が残した物語とキャラクターたちは、現在も多くの子どもたちに愛され続けています。
レジナルド・ダルビー(絵)
レジナルド・ダルビー(Reginald Dalby,1904年 – 1983年)は、イギリスのイラストレーターで、ウィルバート・オードリーの『汽車のえほん』シリーズの挿絵を手掛けました。彼の描く色鮮やかで親しみやすい機関車たちの姿は、読者の想像力を刺激し、物語の世界観を豊かに表現しています。
おすすめ対象年齢
ウィルバート・オードリーの『機関車トーマス』シリーズの絵本は、3歳から6歳の未就学児や小学校低学年を対象としています。この年齢層に向けた物語は、短めの文章と明確なキャラクターの個性で構成されており、読み聞かせにも適しています。また、登場するキャラクターや冒険物語が、幼い読者の興味を引きつけやすく、特に乗り物や機関車に興味がある子どもたちにとっては魅力的な内容となっています。
レビュー
『機関車トーマス』は、シンプルながらも心温まるストーリーと魅力的なキャラクターたちが特徴です。トーマスやその仲間たちの冒険や成長を通じて、友情や努力の大切さを学ぶことができます。レジナルド・ダルビーの鮮やかな挿絵は、物語の世界観を豊かに表現し、読者の想像力を刺激します。翻訳者たちの丁寧な仕事により、日本の子供たちにも親しみやすい作品となっており、世代を超えて愛され続ける名作です。