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『新世界へ』(あべ弘士 作・絵/2012年・偕成社)は、北極で生まれたカオジロガンの若鳥たちが、初めての渡りに挑む壮大な旅を描いた絵本です。約3000kmにも及ぶ空の旅を、雄大な自然の風景とともに力強く表現。あべさんが実際に北極を訪れて感じた生命の鼓動が、ページいっぱいに広がります。「ぼくたちは飛ぶ、新しい世界、約束の地へ」という言葉が、希望と冒険心をかき立ててくれます。
略歴
あべ 弘士
あべ 弘士(あべ ひろし)さんは1948年北海道旭川市生まれ。高校卒業後、旭山動物園の飼育員として25年間勤務し、その経験を活かして絵本作家へ転身。動物のリアルな描写や、力強くもやさしい絵が特徴で、『あらしのよるに』や『ゴリラにっき』など数々の作品を発表。1995年に『あらしのよるに』で講談社出版文化賞絵本賞を受賞。現在も北海道を拠点に、動物のいのちや自然をテーマに創作を続けています。
おすすめ対象年齢
対象年齢は3歳頃から。でも、雄大な自然描写や命の旅の重みは、大人にも響く内容。親子で一緒に読んで、自然の厳しさや美しさを感じるきっかけになる絵本です。読み聞かせにもぴったりですが、小学生以上なら自分で読んでも心に残るはず。
レビュー
読んでいてまず感じたのは「でっかいなぁ…」ってこと。空を飛ぶカオジロガンの群れが、北極から約束の地へ向かう姿は、ただの鳥の旅じゃなくて“命の物語”なんです。言葉少なに、ただ前へ前へと飛び続ける彼らの姿に、静かな感動がじわじわと。あべ弘士さんの絵は、白と青を基調にしながらも、力強くて生命力に満ちていて、まるで風を感じるよう。読み終えたあと、なんだか胸が熱くなりました。
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