とびたいぶたですよ/モー・ウィレムズ

『とびたいぶたですよ』(原題:Today I Will Fly!)は、アメリカの人気作家モー・ウィレムズが2007年にアメリカで発表した絵本。日本語版は2013年にクレヨンハウスから出版されました。まじめで思慮深いゾウのジェラルドと、元気いっぱいのブタ・ピギーの会話形式で進むユーモア絵本。ピギーは「今日こそ飛ぶ!」と決意しますが、ジェラルドは「ブタは飛べない!」と冷静に反論。正反対なふたりが交わすやりとりから、笑いとともに、友情の本質や信じる力の大切さを感じられる1冊です。シンプルだけど深い、心に残るストーリー!

略歴

モー・ウィレムズ

モー・ウィレムズ(Mo Willems)は1968年、アメリカ・イリノイ州生まれの絵本作家・アニメーター。大学卒業後、子ども向け番組『セサミストリート』で脚本家として活動し、エミー賞を多数受賞。2003年の絵本『Don’t Let the Pigeon Drive the Bus!(ピジョンにバスを運転させないで)』で絵本作家としてデビューし、ユーモアとシンプルな線画で注目を集めます。「ぞうさん・ぶたさん」シリーズは代表作の一つで、全米図書館協会からも高く評価されています。

落合 恵子(訳)

落合 恵子さんは、日本の著名なエッセイスト・司会者・翻訳家で、子どもの本の翻訳も数多く手がけています。テレビ番組の司会を長年務める一方、児童文学の紹介や朗読活動を通じて、多くの親子に読書の魅力を届けてきました。『悲しみのゴリラ』の訳も、繊細な感情に寄り添いながら、自然で丁寧な日本語へと紡ぎ出しています。やさしく、子どもの目線に立った訳語選びが読む者の心に響きます。

おすすめ対象年齢

『とびたいぶたですよ』の対象年齢は、おおよそ3歳〜7歳くらいです。ひらがな主体のシンプルな文と、キャラクターの表情が豊かなイラストで、読み聞かせにもぴったり。セリフが中心なので、音読やはじめての自分読みにもおすすめです。文字が少なめなので、幼い子どもでも楽しく読めます。

レビュー

読むたびに笑って、ちょっと泣ける1冊。ピギーの「とびたい!」という無謀な夢に、冷静なジェラルドが「無理だよ」とツッコミを入れるやりとりがなんとも微笑ましい。でも最後には、友情と信じる力のすごさに胸があつくなります。キャラクターの表情や動きもシンプルなのに感情があふれていて、読後に「友だちっていいな」と思える作品。子どもも大人も楽しめる、ユーモアと優しさがつまった絵本です。